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プログラミング言語別 年収・求人数ランキング(2010年版) 【株式会社ワークポート調べ「2010年IT業界の転職市場」】

株式会社ワークポート(東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は、2010年に人材紹介サービス(http://www.workport.co.jp/)で取り扱った求人情報の「応募条件」に記載された代表的なプログラミング言語の「平均年収」および「求人数」からランキングを作成し、言語別に見る転職の市場動向をまとめました。

■調査結果
本調査において、想定年収の平均値が最も高額となったのは、iPhoneの普及によってニーズが急速に高まっている「Objective-C(560.6万円)」だった。求人の詳細を見てみると、そのほとんどが、スマートフォン向けアプリケーション開発者を求めている。これらの企業は、インターネット・モバイル業界のベンチャー企業が多く、25歳~35歳くらいまでを採用ターゲットとしている。募集企業によって差はあるが、おおよそ20代で年収400万円、30代前半で500~700万円程度となった。
続いて年収平均値が高かったのは「C(543.5万)」という結果になった。1位のObjective-Cと比較すると求人数も多く、スキル保持者が多いのも特徴だ。求人の約2割は、比較的年収の低いゲーム系求人だが、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントといった年収800万を超える人材のニーズもあることから、平均年収額は高額となった。現在の転職市場の主流となっているWEB系・ゲーム系求人のほか、組込系エンジニアの求人も散見されるなど、幅広い分野でニーズのある言語と言える。
「Ruby(504.3万)」「PHP(502万)」「Action Script(459.8万)」は若手エンジニアが求められる傾向が強く、年収額では奮わなかった。Ruby では400万~600万、PHPでは300万~600万、Action Scriptは300万~500万が想定年収のボリュームゾーンとなっている。ただし、中には1000万~2000万円以上の年収を用意する企業もある。特にPHPエンジニアを求める企業は多く、採用意欲が非常に高いのが特徴だ。入社決定時に入社支度金(数十万~数百万)を支給する企業もあった。
また、リーマンショック以前の2008年同調査結果と比較してみると、ほとんどの言語で年収の平均値が下落している。これは、景気が低迷したことによって年収レンジが全体的に下落したことに加え、高年収となる40代以上の求人が激減したことが要因と言える。
求人数ランキングを見てみると、最も求人件数が多いのは「JAVA」であった。リーマンショック以来、一時期は求人数の落ち込みが見られたが、旧来のWEBアプリケーション開発案件に加え、スマートフォン向けアプリケーション開発でもニーズが高まったことにより、求人件数が回復した。30歳前後の人材を採用ターゲットとする企業が多いものの、求められる経験や年齢などにも幅があり、多様な求人が見られた。
続いて求人数が多かったのは、ソーシャルアプリの隆盛によってニーズが高まった「PHP」である。PHPエンジニアを求める企業は非常に採用意欲が高く、20代の若手であれば、独学での開発経験も評価対象となる場合がある。各社の採用競争の激化により、募集要件を引き下げたり、選考スピードを速める企業が増えた。
求人件数ランキングで3位となったのは「C++」であり、僅差で「C」を上回った。求人数は2位のPHPの2/3程度に留まった。現在の求人は、ほとんどがゲーム開発エンジニアを求めるものであり、20代~30代前半までを採用のコアターゲットとしている。想定年収は300万円~500万円程度が主流である。また、一部ではあるが、年収レンジの高い組込系や金融系エンジニアを募集する企業があり、年収平均額を押し上げる格好となった。ただし、こうした組込系・金融系エンジニアの募集は、大手メーカからの求人や特定のスキル・経験保持者を求めるものが大半を占めており、非常に狭き門といえる。
汎用系言語では、COBOLで若干の求人があるものの、RPGやPL/Iでの募集はほとんど無いのが実情である。



注:想定年収最高値が1000万を超える場合、一律で上限1000万として算出


◆株式会社ワークポートについて
ワークポートは、IT・インターネット・ゲーム業界を専門とする人材サービス会社です。
IT・インターネット・ゲーム業界のみで常時12000件以上の求人案件を有し、通常の求人情報検索サービスに加え、業界出身の専任コンサルタントによる企業紹介・キャリア相談・書類添削・面接前の個別面接指導、入社後のフォローまで全て無料でサポートしています。

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