気になるお仕事まるわかり！職業図鑑　―【メディカル業界】医療事務編

医療事務の仕事内容

みなさんが病院やクリニックへ訪れた際に、受付にいる方が医療事務の仕事をしている方です。主に受付・案内業務、カルテ管理、レセプト作成、会計業務を行います。

受付・案内業務、会計業務

　
診療申込書を書いてもらったり、保険証や診察券を確認したり、診察日の予約確認を行います。診察終了後は、処方箋についての簡単な説明をし、診察料を徴収します。

カルテ管理

カルテの仕分け・回収・搬送が中心となり、看護師や医師の呼び出しに応じてカルテを運ぶメッセンジャー的な業務です。

レセプト作成

レセプトとは、医療費から患者負担分を差し引いた額を保険者に請求するための書類のことで、正確には「診療報酬明細書」といいます。レセプトを作成し、合計の医療費のうち、患者さんが負担する金額を計算します。このレセプト作成時にはカルテの内容も理解しなければならないため、医療事務の仕事の中で最も専門的な業務となります。
医療事務は、医療や薬などの専門知識が必要となるため、ブランクがあっても経験を活かして再就職しやすい傾向にあるようです。また、高齢化社会の到来に伴い、今後ますます需要が増えるだろうと予測される職業の一つです。

求められるスキル

医療事務として求められるスキルは、事務処理能力やコミュニケーション能力です。

事務処理能力

基本的なPCスキルはもちろんのこと、高い事務処理の能力が必要です。医療事務のカバーする領域は広く、一般的な事務と比較すると覚えることは多いです。そのため、数多くの業務を覚えてテキパキと仕事をこなしていく必要があり、なおかつ、レセプト作成などの業務の大半はお金に関わるものです。すなわち病院等の収入や信用に関わることなので間違いのない正確な作業が求められます。

コミュニケーション能力

医療事務は単に事務的な仕事をするだけではなく、医療機関に訪れた患者さんや医師、看護師と常にコミュニケーションをとる必要があります。患者さんは、老若男女ですし、障がいのある方もいらっしゃいます。また、病気やけがをしていて、普段よりもナーバスな状態なので思いやりのある対応が求められます。

未経験から目指すには

未経験OKの求人はありますが、やはり応募人数が多くなるため、倍率が高い傾向にあります。また、医療事務の仕事に就くために必要な資格は特にありませんが、一般事務とは異なり、専門的な知識が必要となります。そのため、医療関連の資格や免許を取得していると選考に有利に働きますし、業務をスムーズに進めることも出来るでしょう。資格としては、診療報酬請求事務能力認定試験や診療情報管理技能認定試験、医療秘書技能検定などがあります。

仕事の魅力・やりがい

医療事務は、医師や看護師とは異なり診療行為を行うことは出来ません。しかし、医療事務というサポートがあるからこそ病院やクリニックの運営や診療が円滑に行われるといっても過言ではありません。病院やクリニックの縁の下の力持ち的な存在として、社会的な意義がある職業です。
また、医療事務ではレセプト作成などの特殊な知識や技能が要求される仕事のため、常に勉強が必要な代わりに、一般事務に比べてキャリアが評価されやすく、仕事に対する誇りも持つことができ、やりがいとなります。

収入・年収

平均年収は、250万～350万円未満ですが、勤務年数や実力、勤める医療機関によって変わってくるようです。医療事務は特別給与が高い職ではありませんが、勤務年数を重ねることによってスキルが向上し、年収がアップする人もいます。

職場環境（男女比、平均年齢など）

男女比は2：8と女性が多いです。医療事務は結婚や出産などのブランクがあっても経験を活かして再就職できる傾向にあり、女性に人気な職業です。また、正社員や派遣スタッフ、パートなど幅広い雇用形態で求人があります、子育てをしながらや年齢を重ねても働くことができ、生活に合わせて働き方を選べる職業ということも女性が多い要因のひとつでしょう。