転職コラム

2017年1月4日

【連載】あなたの知らない、2030年のシゴト ~「文化とレクリエーション分野」編~

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【連載】あなたの知らない、2030年のシゴト ~「文化とレクリエーション分野」編~

 2013年、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授が「人工知能の発展に伴い、10年後には人間の仕事がなくなる 」というショッキングな論文を発表しました。2015年には 野村総合研究所が同教授と共に「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になるという試算」が公開されています。そして2016年3月、Google社の開発した人工知能(以下AI)の囲碁プログラム『アルファ碁』が プロ囲碁棋士の李セドル九段との対局に勝利をしたのは記憶に新しいニュースです。AIが人間に勝利するのはまだ10年以上掛かるといわれていただけに衝撃を受けた人も多かったのではないでしょうか。
 一方で日本では『2025年問題』と呼ばれる、日本全人口の4人に1人が後期高齢者という超高齢化&少子化社会へと突入するといわれています。リクルートワークス社の調査結果によると「2025 年に向けては、人材不足と人材余剰が同時発生する。“人が余っているの に、人が足りない”、“仕事があるのに、仕事に就けない”というような事象が、広範囲に、ただし局所的には今までよりも解消が難しい形で発生する」とも言われていています。

 そんな中、カナダのCTS inspired minds career2030というサイトで、2030年の仕事として非常に秀逸な視点から仕事事例を公開しているので、数回に分けて紹介したいと思います。
第4次産業革命 とも言われるAI技術の台頭による産業構造の変化と日本が向かえる社会課題の中で、どのような経験を積みどんなスキルを身に付けるべきかというヒントになるかもしれません。

※inspired minds career2030 とは…

教育と専門的なキャリアパスの視点からカナダの未来ビジョンを示したものです。 カナダの奨学金信託財団によって運営されている、カナダの子供のための高等教育を支援するための奨学金制度の専任販売代理パートナーのCTSが運営しています。

文化とレクリエーション分野/Culture and Recreation

●購入予測アナリストPurchase Prediction Analyst
 購入予測アナリストはビッグデータを活用し、消費者の購入頻度、好み、価値判断を特定していくようになる。特に重要なことは、『ヒット』と『ミス』と『ニアミス』を区別すること。そしてなぜ、どのようにその『ヒットとミス』が起こったのかという理由を説明できるようにならなければいけない。また購買予測アナリストは、人間と文化的な背景を理解した上でビッグデータを活用し解釈していくことになる。そのため社会学や心理学の理解も求められるようになる。

●ファッションデザイナーFashion Designer
 ファッションの世界では、ウェアラブル技術を用いた表現や創造が求めらる。心拍数を測定する機能や友人が近くにいるとアラートされるサービスなどの要素が盛り込まれたファッション。たとえば自分の猫がどれほど幸せか悲しんでいるかが脳波によって判定される猫の耳を買うことができるようになる。2030年のファッションデザイナーは裁縫スキルを習得するのと同じくらい、電子回路がどのように機能するかなどの理解をすることが重要になっている。

●ノスタルジストNostalgist
 裕福な高齢者向けのインテリアクリエイター。高齢者は変化に対応するより、自分の長い人生経験から一番幸せだった時代を知っている。よって裕福な高齢者がそれぞれ思い入れのある年代を再現したインテリア空間をデザインするのがノスタルジストの仕事となる。完全に過去を再現するというものではなく、その時代が与えた影響や効果を演出することが大切な要素となる。従ってノスタルジストは、セラピスト、インテリアデザイナー、歴史研究者の役割を兼ね備えている。

●エステティシャンAesthetician
 2030年は生物化学技術の進歩により、より一層の自分達の外見をコントロールできるようになる。そのため、顧客に合わせたスキンケアやメークアップ手法はもちろんのこと、状況に合わせた一時的な外見のコントロールをサービス提供するようになる。例えば、監視カメラがいたるところにある公共の場では個人情報をほごするためのカモフラージュメイクアップなど。2030年のエステティシャンは、技術にプラスして顧客の心を理解できる高度なコミュニケーション力が必要で、エステサービスとともに顧客のプライバシーと安心の価値提案をしていくことになる。

●北極冒険ガイドArctic Adventure Guide
 北極冒険などのエキサイティングなツアー体験がビジネスとして活性化している。北極熊を見ながら最北地域の土地や歴史について学ぶエコツーリズムという観点も影響している。またドローン技術が最適な空路や氷路を見つけ出していくため、より安全な冒険ツアーがうまれることになる。アウトドアスキルを持った人はこれから北の地域で北極圏ガイドのような仕事を見つけることになるだろう。

●美術館キュレータArt Museum Curator
 キュレーターのコレクション活動は過去を維持する重要な仕事であり、美術館/博物館はそれらを保存するための重要な施設となる。よって芸術、美術史、歴史、文化研究、文学研究などは美術館とキュレータにとって重要な基礎となる。そして、2030年の美術館(博物館)のキュレーター(学芸員)は、バーチャルな作品とインタラクティブな空間での仕事になる。たとえば開催国と同時に他の国に存在する支店でバーチャルに展示がされるため、沢山の人々が芸術を楽しめるようになる。

●ダンサーDancer
 ダンス技術はこれまで何千年ものあいだ大きく変わらなかったが、次の3つの革命により大きくその古代芸術を進化させることになる。1つは宇宙観光産業の発展に伴い、無(低)重力ダンスが開発される。2つめはロボット技術の進歩により誰でもロボットをパートナーとし利用できるようになり、ひとりでもベテランのロボダンサーと楽しめるようになること。3つは既に障碍者や高齢者用に使われている身体補助装置によって、例え足腰が悪くとも誰でもダンスを楽しめるようになる。2030年はダンスの持つポテンシャルが技術革新により飛躍的に伸びるため、ダンサーとしてはこれら変化に対応していく必要がある。

 いかがでしたでしょうか。そもそも文化とレクリエーション分野というカテゴリー分けからして新しく、その分野から求人を探す観点はあまり無かったのではないでしょうか。AI、ビッグデータやVRといった最新トレンド技術についての話はあるものの、重要なことは、より人間らしさ(ヒトの文化やあたたかさ)を取り入れていかなければいけないこと。そして学習すべきは技術だけではなく、生物学や歴史、文化人類学などを理解することのようです。文化・レクリエーションはまさにRe・Creation、もう一度創造する時代になるのだと思います。

 次回は教育分野における2030年の仕事を紹介したいと思います。

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