【BizGenic】番外編:若村菜摘さん / サイバーエージェントグループ社内プロジェクト『CAramel』

【BizGenic】番外編:若村菜摘さん / サイバーエージェントグループ社内プロジェクト『CAramel』

自分らしくイキイキと働く人の姿は、誰の目にも魅力的に映ります。『BizGenic』(ビズジェニック)は、そんな働くことを楽しむ女性にフォーカスしたインタビュー企画です。 今回は働く女性を応援する企業の取り組みにスポットを当てた番外編をお届けします。


今回の『BizGenic』は、働く女性を応援する企業の取り組みにスポットを当てた番外編。“女性の働き方の応援”を目的に立ち上がったサイバーエージェントグループの社内横断プロジェクト『CAramel(カラメル)』について、プロジェクトリーダー、若村菜摘さんに話を伺いました。

BizGenic 番外編

女性活躍推進社内横断プロジェクト
『CAramel(カラメル)』

「十人十色の女性の働き方を応援する」ことを目的に、2017年9月に発足した社内(系列会社含む)横断プロジェクト。2ヵ月に1度、女性社員を対象とした社内イベントを企画し、女性が働く上での悩みを共有しながら、交流を図っているという。発起人は、入社10年目にしてメディア事業(Amebaブログ)のプロダクト責任者を務める若村菜摘さん。現在『CAramel』のプロジェクトリーダーとして、女性会員をまとめている。

明日を作る会議でプロジェクト発足

 『CAramel』は2017年9月の「あした会議」で決議され、プロジェクトが発足しました。「あした会議」というのは、サイバーエージェントグループが年2回実施している合宿形式の会議です。役員が選抜した4名の社員とともにチームを組んで、新規事業案や社内課題解決案などを提案します。光栄なことに私はそのメンバーに抜擢され、提案をする機会チャンスをいいただくことができたのです。

第1回目のイベントの様子。多くの女性社員が参加し、満足度は100%だった。

 もともと当社は、人を大切にする会社で、女性社員に対するケアは手厚い方だと思っています。ただ、新卒社員に対しての制度や、出産・育児後の復職にあたっての制度が整備されている一方で、その間の中堅社員に対してのケアが盲点になっていると感じていました。せっかくあした会議のメンバーに抜擢されたのだから、それを打開するための取り組みを真剣に考えてみたいと思ったのが提案のきっかけです。

 女性社員は、仕事面において入社3、4年目あたりで一定の地位を確立して仕事にのめり込んでいきます。一方で、結婚や出産でステージが変わっていく上で「このままの勢いで仕事をがんばり続けられるのか?」という漠然とした不安を抱える人も増えていくのも事実です。
 「仕事のやりがいとプライベートの充実を両方選ぶことは難しいの?」「やはりどちらかを諦めなければならないのか?」などの悩みを聞く度に、そんなに力まなくても長く仕事を続けられるやり方があるはずだという思いに駆られました。

キャリア志向より、まずは安定した仕事の継続を目指したい

 女性社員向けの組織体は過去にも2例ほどありましたが、どちらかというとキャリア志向を後押しするようなもので、女性がどう活躍して管理職を目指すかというようなキャリアデザインを考える組織でした。  

女性の働き方をテーマにしたパネルディスカッションの様子。

 『CAramel』は、管理職など上を目指すことをゴールにするのではなく、長く働き続けるためには、自分自身がどんなスタイルで働いていくのかを各々が確立できることをゴールにおいています。
 そのためにプロジェクトとしてどう支援できるかという発想で企画をスタートさせました。人事面でのケアをしたり、制度を整えて支援するというのではなく、女性社員それぞれが十人十色の働き方を自ら作り、選んでいける環境作りを目指しています。

 プロジェクト名である『CAramel(カラメル)』には、文字通り「女性社員同士が絡める(からめる)場を作る」という気持ちを込めており、2ヵ月おきに企画する女性社員対象のイベントが活動の主軸です。 イベントを通じて活発な意見交換を行うことで、個々に多くの気づきや刺激をもたらせたらと思っています。

初回イベントは狙い通り。「がんばりすぎなくていいんだ」の声

 第1回目のイベントは、2017年11月に全女性社員を対象にカフェを貸し切って開催しました。職種、業務内容、部署、入社年次、働き方、ライフステージなど、それぞれ異なる女性社員を選んでざっくばらんに意見交換できる場を設けました。

カフェ貸切のイベントは、おいしい料理をつまみつつ・・・。

 当社では良くも悪くも成果にフォーカスしており、女性も成果を出すべく仕事中心でバリバリと頑張る働き方がスタンダードです。ところが、子育て中や時短勤務でもしっかりと成果を上げている社員も実はたくさんいます。だからこそ、まずはサイバーエージェントのスタンダードな社員像とは違う働き方でもしっかりと活躍できるのだということを、もっと多くの女性社員に知ってもらうことが必要だと考えました。イベントで登壇してもらうスピーカーは、当社では比較的異色の働き方をしている社員を選んで、さまざまなケースを知ってもらう機会を作りました。

 実は私自身、入社3年目くらいの時にがんばり過ぎて心が折れてしまった経験があるんです。完璧を求めるあまり、自分で自分を責めて勝手に自爆してしまったというか(笑)。このとき100%全力で取り組んだ果てに、0になる怖さを身をもって知りました

 この経験から自分の限界を知って、つぶれる前に無理なことは無理だと周りに伝える勇気を持つことの大切さを痛感しました。だからこそ同じように悩んでいる女性達に、「自分なりの働き方で、無理しすぎなくてもいいんだよ」ということを伝えたかったんです。

『CAramel』プロジェクトリーダー若村菜摘さん。過去にがんばりすぎて辛かった経験があるからこそ、悩んでいる女性社員たちに伝えたい想いがある。

 イベントに参加した女性社員からは「いろいろな働き方があることを知った」「誰かと比較しなくてもいい。自分自身のやり方で成果を上げたいと思った」「ひとりでがんばりすぎなくていいと思えた」「つらいときはつらいと言ってもいいんだ!」などの反響をいただきました。
 まさに狙い通りのイベントになったと思います。

2回目以降のイベントは共感を重視。グループ会社間で共通の悩みを共有

 大きな手応えを感じた初回のイベントですが、パネルディスカッション中心だったため話し手と聞き手が明確にわかれてしまう傾向にあったことが課題として残りました。ですので、2回目以降はセグメントを切って、職種は同じだけど話す機会のない関連会社間の社員たちを横断的に集めて開催することにしました。懇親会の割合を増やして、境遇が似た者同士よりリアルな悩みを共有できる機会を増やすべきだと思ったのです。

 「そういう悩みあるんだ、わかるわかる」って言えるだけで女性ってすごく安心できるんですよね。参加者からは、安心して悩みを相談できる人が同じ会社の中に見つかって良かったという声も寄せられました。当初は初対面の社員同士で話題が続かないことを想定して、話すテーマを書いたカードを用意したりもしていたのですが、どのグループも非常に話が盛り上がっていてそんな心配は全く無用でした。

同じ職種や境遇の仲間と交流。「わかる、わかる!」といあえる相手が身近にいることで安心できる。

 次回は、新卒の女性社員を対象に、入社2、3年目で成果をバリバリ出す早咲き社員と、10年かけて結果を積み上げてきた社員の話をそれぞれ聞き、比較してもらうパネルディスカッションなどを企画しています。

 ほかにも、グループ内の各種スタートアップの女性社員を集めたイベントや、中途採用の女性社員を集めたイベントなども企画しています。 いずれにせよ、このイベントを通じて多様な働き方があることや、自分のペースで実績を作っていけばいいんだということが伝わればと思っています。

いずれはすべての女性をつなげたい

 現在は女性社員の不安払拭や気づきを与えるための企画に徹していますが、ここ最近では自身の働き方でもっと成果を上げていきたいというキャリア思考の女性社員の声も多く届いています。今後は、トップラインを引き上げて女性のネクストリーダーを輩出できるような試みにも取り組んでいきたいと思っています。

 将来的には全女子社員のデータベースを作って、各自が持つキャリアパスとライフステージによるさまざまなステイタスを一元化し、女性社員同士をわかりやすくマッチングさせる仕組みができないかとも思っています。

イベントは男子禁制ですが、司会者のみが唯一の男性。

 リアルなイベントにも価値はありますが、悩みを持ったときにマッチングによって相談できる相手を探せたり、次のキャリアが想起できるシステムがあるだけで、自ずと社内全体の環境も変わっていくのではないかと考えています。女性の働き方応援の取り組みが、男性社員も巻き込んで全社を盛り上げる取り組みへとつながっていけば素晴らしいなと思います。

 面白いもので、男性社員からイベントに参加したいという声も意外にたくさんいただきます。男性がいると話せないことも多いですし正式に呼ぶことは難しいですが、いつか男性と女性が赤裸々に話し合う機会をつくるのもありかもしれないなと思っています。

女性自身が働き方を、文化を創る喜び

 運営メンバーは8名の幹部を中心に全体で20名ほど。活動はすべて業務外にも関わらず、部署も業務もバラバラな女性たちが同じビジョンを持って一丸となって企画を考え、活動に取り組んでいます。
 会社としては、この組織体はずっとやり続けることではなくある期間に集中的にやるべきとのスタンスではありますが、個人的にはマンネリ化しない仕組みを作って継続していきたいという密かな野望を持っています。

プロジェクトを盛り上げるために作ったグッズの数々。

 今まさに、社員発信で自分たちの働く環境、会社の文化を創出している実感と喜びを感じています。『CAramel』という組織体にこだわりませんが、自らの立ち位置を社員自身で作り出す文化は残していきたい気持ちです。  

 日本全体としてもまだまだ女性の働き方は確立していませんし、今後の大きなテーマだと感じています。女性のキャリアは描かれたものをなぞるのではなく、女性自身が作っていくべきです。 

 『CAramel』の運営という機会をせっかくいただいたので、ここでの新しい発見を外部に発信し、日本社会の女性の働き方にもいつか一石を投じる機会があればいいなと思っています。

イベントはカジュアルに参加できる雰囲気で、参加率は回を重ねるごとに上がっている。

編集後記

今回のBizGenicは、番外編として、サイバーエージェントグループ全社で働く女性を応援する横断的な組織『CAramel(カラメル)』を立ち上げた、若村菜摘(わかむら・なつみ)さんに、その取り組みの狙いと、すでに生まれつつある成果をうかがいました。

入社数年での挫折から学んだ経験から、肩肘張らない女性の働き方の術を浸透させたいと、会社の横断的プロジェクトを企画した若村さん。「がんばりすぎなくていい」けれど、「がんばりたい」人も応援したい。女性自身が自ら作る、新しい会社文化の創出は、まだ始まったばかりです。

▼ 若村 菜摘さん(30)プロフィール

アメーバブログ事業責任者
2010年:入社 (株)プーペガール出向。プランナー
2013年:アメーバピグ アバター責任者
2014年:アメーバピグ 収益責任者
2016年:女性WEBメディアby.S 編集長
2017年:アメーバアプリプロデューサー
     ー サイバーエージェント社員総会にて最優秀ベストマネージャー賞受賞
     ー 9月にあした会議にて、CAramel発足決議。
2018年:現職
サイバーエージェントグループ
インターネット広告会社として1998年創業し、20周年を迎えた。「Ameba」などのメディア事業から、投資育成事業、ゲーム事業まで、インターネット領域の幅広い事業を展開。近年、定額制音楽配信サービス「AWA」やインターネットテレビ局「AbemaTV」などの新たな試みにも取り組む。

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