【BizGenic】#13 近間裕見子さん / 総務部

【BizGenic】#13 近間裕見子さん / 総務部

自分らしくイキイキと働く人の姿は、誰の目にも魅力的に映ります。『BizGenic』(ビズジェニック)は、そんな働くことを楽しむ女性にフォーカスしたインタビュー企画です。彼女らの仕事に対する姿勢やプライベートの楽しみ方、元気の源は一体どこにあるのかを探ります!


BizGenic プロフィール #13

シェフラージャパン株式会社
近間裕見子(ちかま・ゆみこ)さん

大学卒業後、大手コンピューター会社に入社し、財務部で庶務や部門長のアシスタント・秘書業務を経験。結婚した夫の勧めもあり、「新しい世界に踏み出したい」と、11年勤めた職場を離れ、単身イタリアへ留学。帰国後は、派遣社員として様々な業界で経験を積み、2007年シェフラージャパンに業務委託という形で総務デスクとして勤務がスタート。経理部内の「総務デスク」として本社オフィスの総務・庶務業務を一手に引き受け、その誠実な人柄と真摯な働きぶりが高く評価される。2013年12月に「総務部」新設とともに正社員に抜擢され、現在は総務部メンバーの“要”として、オフィス全体の安全・セキュリティ面の管理や、移転時・拠点開設時のプロジェクト遂行など幅広く活躍する。

勤続10年の節目に、夫の一言で人生を見つめ直した

新卒でコンピューター会社に入り、財務部で庶務や部門長のアシスタント・秘書業務をしていました。その間、学生時代からお付き合いしていた彼と結婚。仕事もプライベートも落ち着いて、ちょうど勤続10年が経った頃、夫からこう切り出されました。

「この会社で働いて10年が経つけど、これからも続けていくのか、それとも別の道に行くのか、見つめ直すいい機会なんじゃないかな?」

その言葉にハッと気づかされ、「もっと違う世界も見てみたい!」「新しい扉を開きたい!」という気持ちがムクムクと湧いてきました。いろいろと悩みながら自分の中で出した答えは、「慣れ親しんだ会社を辞めて単身イタリアに留学すること」でした。7カ月ほど家を留守にすることになりますが、夫も「これから生きる上でプラスになるのでは?」と快く賛成してくれました。
現地では語学を学んだり、私自身食べることが大好きなので一般のご家庭に家庭料理を学びに行ったり。イタリア人の自由でのびのびとした気質に、自然と心がほどけていき、前向きに人生を考える、実り多い時間となりました。

帰国後は、派遣社員としてワインの卸売会社や大学の経理部で働き、その後、シェフラージャパンでの総務の仕事を紹介していただきました。

「ドイツの企業で、自動車などの部品を作る会社」と聞き、今までとは全く異なる世界に一瞬ひるみましたが、イタリアで様々な国の人たちと触れ合い成長できた経験を思い出し、「やっぱりチャレンジしてみたい!」という気持ちに。
2007年4月に業務委託という形で派遣され、働き始めることになったのです。

フレンドリーな外国人の社員のおかげで、心を開けた

当時は会社が合併されてまだ間もない頃だったので、今よりも規模が小さく、社員の数も今の3分の1ほど。「総務部」という独立した部署はなく、経理部の管轄でした。しかも、総務の実際の業務を担当するのは私一人でしたので、オフィスで使う備品の管理から、郵便物の振り分けまで多岐に渡りました。

担当は自分一人ではありましたが、孤独感は全く感じませんでした。
所属している経理部をはじめ、職場全体がアットホームで心温まる雰囲気だったからです。そのムードを真っ先に作ってくれていたのが、外国人の社員たちです。

グローバル企業ということもあり、ドイツやフランス、韓国、中国など欧州やアジア諸国からの外国人社員が数多くいて、新しく入った私にも、とてもフレンドリーに接してくれました。ランチに誘ってくれたり、仕事やプライベートのことを語ってくれたり。「自ら相手に心を開き、打ち解けようとする」「チームで楽しく仕事をする」という彼らのオープンで前向きな姿勢に大変刺激を受けましたし、助けられました。

以前に勤めていた会社では部署内で仕事が完結することが多く、部署同士のやり取りや交流はほとんどありませんでした。でも、シェフラージャパンでは部署間の関わりが密で、職場全体がチームのように動いているのも魅力に感じました。ボーダーレスで風通しの良い社風に、居心地の良さを感じ、気づけば働いて4年、5年と月日が経っていました。

転機が訪れたのは2013年。業務の拡大に伴い、これまでの経理部管轄から新たに「総務部」として新設されることになり、併せてスタッフも増員されることになりました。その際に、「正社員にならないか?」とお声がかかったのです。

言われた時は嬉しくもありましたが、一方で「私に出来るかな?」という戸惑いも感じていました……。

皆にとってハッピーな職場環境を築き上げるのが醍醐味

今までは契約の業務範囲の中で仕事をすることが多かったですが、社員になるとそれだけ携わる業務の範囲が広がり、責任も重くのしかかります。ドイツの企業ですから、経営方針や人事評価の仕方も日本の企業とは異なり、「昨日よりも今日、今日よりも明日」と、目に見える形で成果や日々の改善向上を求められます。

プレッシャーもひしひしと感じましたが、職場の先輩や同僚、家族など周囲の後押しもあり、思い切ってチャレンジしてみることしました。そして2013年の年末に、正社員としての勤務が始まったのです。

総務部のメンバーは現在、部門長と受付のスタッフ、他スタッフ2名、私を含めて5名で動いています。備品の管理など庶務業務をはじめ、オフィスの巡回・安全管理、セキュリティの強化やトラベルマネージメント(社員の国内外出張の手続き管理)、そのほか移転時や拠点開設時に発生する業務全般が主な仕事になります。

仕事の中でも一番の山場と言えるのは、オフィスの移転や拠点を新しく作る時です。最も時間と労力、コストがかかる場面ですので、一大プロジェクトとも言えます。フロアのレイアウト一つとっても、どこにどの部署の机やキャビネットを置いたらより動線が良くなるのか? 仕事の効率が上がるのか? それぞれの部署の業務内容や部署同士の関わり度を把握していないと、より良い配置・職場環境を迅速に生み出せません。日ごろからいかに全社に目を配り、状況を把握しているかがカギになります。

ほかにも、ビルや空調などの設備会社と交渉したり、ITの部門や外部のシステム会社と協議をしたり。社員の声も取り入れながら、オフィスを一から作り上げていく作業は大変骨が折れますが、そのプロジェクトに関わる人や社員皆がハッピーな結果になれた時(皆にとってハッピーな空間が生まれた時)は、「やった!」と、達成感をすごく感じますね。

「あなたに頼めばなんとかなる!」。安心できる存在でありたい

この仕事で私自身、大事だなと感じるのは、「社員やスタッフの声に耳を傾けること」です。
週に1回、オフィスの安全状況を把握するために巡回するのですが、その際にはなるべく社員やスタッフとコミュニケーションを取り、「何か不安なことや困っていることはないかな?」と目を配るようにしています。

2011年の東日本大震災以降、特に地震の少ない国の外国人社員の中には、「またあのような大きな災害が起きたら……」と不安を抱える人も少なくありません。そうした声にも耳を傾け、いつどこでも身を守れるようにと、緊急避難グッズを足元に設置するほか、会議室にもヘルメットを常備するようにしました。
また、外国人の来客も多いので、地震が起きた時の対処法や避難場所を明記した名刺サイズの冊子(ビジターズガイド)を配るなど、皆さんが少しでも安心してビジネスができるよう、様々な取り組みをしています。

社員やスタッフが不安に思っていること、困っていることをヒアリングしながら、なるべくその要望にも応えていきたい。もちろん会社としてのルールは守る必要はありますが、あまりそこにこだわりすぎず、「社員やスタッフがいかに心地よく、満足して働けるか?」、そのベストな方法を柔軟に探るようにしています。

「近間さんに頼めば、なんとかなる!」
そう言われる時が一番うれしいですね。職場の皆にとって「居るだけでホッと安心できる」、そんな存在になりたいと思っています。

私自身、誰かのお世話をしたり、サポートしたりするのが好きな性格からか、プライベートでも介護施設でのボランティアに夫婦で参加しています。施設内のお掃除や庭の草むしりをするのですが、施設の利用者さんから「がんばって~!」と声援を送ってくれるのが、なんだか可愛らしく思えて、ついつい張り切ってしまいます(笑)

お酒を飲むのもリフレッシュの一つ。大好きな街に繰り出して、「ひとり飲み」を楽しんだり。自宅に小さなワインセラーがあるので、いろんな産地の安くておいしいワインを集めたり。イタリアの家庭料理をおつまみに、ワインを飲みながら夫婦で語らう時間も、毎日の仕事への活力になっています。

編集後記

ドアを開けて取材場所に入ってきた瞬間、パッと花が咲いたように、華やかなオーラを放っていた近間さん。見ているだけでうっとりするほど引き込まれてしまいました。

「総務のプロ」として様々な実績を上げていながら、ご本人はいたって控えめ。
取材の間も一つひとつ丁寧に、言葉を選びながら答えていく姿に、仕事への並々ならぬ責任感を感じました。一方で時折見せる、茶目っ気たっぷりの笑顔も魅力。仕事やプライベートで、周りの人を笑顔にしながら、「縁の下の力持ち」として活躍される姿が目に浮かびます。

取材・文/伯耆原良子

シェフラージャパン株式会社
INA、LuK、FAGという三つのブランドを全世界で展開するシェフラーグループの日本法人として1987年に設立。日本国内に、横浜本社、名古屋、広島の3つの拠点を有し、自動車産業をはじめ各種産業機械メーカーに数多くの製品を供給しています。

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