どちらかが100%悪いという喧嘩は少ない

恋人と喧嘩に発展するケースでは、浮気といった明らかに相手に非がある場合は除いて、どちらかが100%悪いというのはそれほど多くはないのです。日常の生活の中で些細な解釈や意見のすれ違いが原因で不満を感じ、それがきっかけとなって言い争いまで発展してしまう場合がほとんどなのではないでしょうか。
恋人といっても、お互い好みやモノの見方、価値観が全く異なる他人同士です。考え方が一致するという方が少なく、本来なら違いがあるという前提でお互いが納得できる着地点を探っていかなければいけません。
ただ、恋愛関係は他の人間関係と比べても距離感が近くなり、お互いが全く違う他人同士なのだという感覚が次第に薄れていってしまいます。その結果、相手が予想外の行動をした時に過剰に反応をしてしまうのです。
普段の喧嘩もよく見てみると、こうあるべきだという価値観のぶつけ合いが少なくありません。
モノの見方や考え方は人それぞれで、どちらの見方が絶対的に正しいということはありません。しかし喧嘩になるとお互いに自分が正しくて相手が間違っているという勝ち負け思考になってしまい、存在しない「自分が100%正しい」という勝利を求めていつまでも争いを続けてしまうのです。
勝ち負け以外の、2人が納得できる第3の結論を

価値観や考え方に正解はなく、いわばどちらの考え方も正しいということができます。それを忘れてどちらの価値観や考え方が正しいかと勝ち負けの思考をしてしまうと、いつまでも決着がつかず、関係がどんどん悪化してしまいます。
もし仮に相手を言い負かしてその場は収まったとしても、相手には不満が残ったままなので、いつか再び言い争いが起こるか、蓄積したストレスが爆発してより酷い喧嘩に発展する可能性もあります。
もし喧嘩を終わらせて仲直りをしたいと考えるならば、勝者と敗者という関係を作ってしまう「自分が100%正しい」という考え方をやめて、お互いが気持ちよく納得できるような結論を出すための話し合いをしなければいけません。
友人や同僚との普段のコミュニケーションでは無意識にこれができていた人も、距離感が近い恋人に対してはこのバランス感覚を忘れて、つい自分の価値観を押し付けてしまいやすいのです。
喧嘩に発展してしまう勝ち負けという単純な考え方ではなく、落ち着いた対話による、勝ち負けを超えた第三の選択肢を探しましょう。