【BizGenic】#15 水野早織さん / 企画部 プロデューサー

【BizGenic】#15 水野早織さん / 企画部 プロデューサー

自分らしくイキイキと働く人の姿は、誰の目にも魅力的に映ります。『BizGenic』(ビズジェニック)は、そんな働くことを楽しむ女性にフォーカスしたインタビュー企画です。彼女らの仕事に対する姿勢やプライベートの楽しみ方、元気の源は一体どこにあるのかを探ります!


BizGenic プロフィール #15

株式会社DeNA Games Tokyo
水野早織(みずの・さおり)さん

音楽大学を卒業後、マーケティングリサーチ会社に入社。市場調査の仕事を経験した後、「自分でヒットを仕掛けたい」と思うようになり、好きだったゲーム運営のプロデューサーを目指すように。ソーシャルゲーム会社に転職し、カスタマーサポート部門の担当となる。そこで「どうしてもプランナー職に移りたい」と企画部の上司に猛アタックし、見事ポジションを獲得。その後、別のソーシャルゲーム会社で経験を重ね、2017年1月に株式会社DeNA Games Tokyoに入社。現在デコ系ソーシャルゲーム2タイトルのプロデューサーとして活躍中。趣味はゲームと映画鑑賞とグルメ。

中学から音楽の世界に。天才との差に挫折を味わった

今はゲームのプロデューサーとして働いていますが、「実は音楽大学出身で、ピアノやクラシックを学んでいたんです!」と言うと、皆さんによく驚かれます。

子どもの頃から音楽が好きで、中学の時に思い切って音大の附属に入学しました。中高ではずっとピアノを学んでいたんですが、大学では学問の分野を極めたいと研究科に進学。ピアノ演奏を学んでいくうちに「自分は天才には敵わない……」と挫折感を味わったんですよ。

音楽の世界って正解がないんです。すごく努力した楽譜通りの演奏で100点をとっても、セオリーを超える独創的な演奏をした人がいきなり120点取ったりする世界なんですね。そんな並外れた天才を目の当たりにし、この世界の怖さを味わいました。自分は天才肌じゃないし、そもそも闘う土俵が違う。そう確信しましたね。

「自分が本当に魅かれることはなんだろう? 興味があることはなんだろう?」と考えた時、もっと科学的に仮説を立てて検証したり、狙ってヒットさせたりすることだなって。研究科に行ったことで、そんな分野に強烈に関心が引かれることに気づきました。私はもしかしたら、アーティストじゃなくて、「プロデューサー」タイプなんじゃないかと思うようになったんです。

卒業後は音楽業界ではなく、マーケティングリサーチ会社に入社。市場調査の仕事を始めました。クライアントの依頼でアンケート調査などリサーチの仕事をするのはとても勉強になりましたが、それがどこまでクライアントのお役に立ったのか、ヒットに貢献できたのかが直接目に見えるわけではありませんでした。

自分でより良いサービスを提供できたら、もっとリアルに反響も手ごたえも感じられるかもしれない――。私自身、音楽と同じぐらい「ゲーム」が大好きだったこともあり、「よし、30歳までにゲームのプロデューサーになろう!ヒットの仕掛け人になろう!」と、新たな夢ができたんです。

熱意と100ページの企画書で念願のポジションを獲得!

ソーシャルゲーム会社をたくさん受けたんですが、未経験だったため苦戦しました。「制作ではなく、カスタマーサポートの部門なら」ということで、ようやくソーシャルゲーム会社への転職が決まりました。そこではプレイヤーさんからの問い合わせやご意見への対応をしていましたが、一方で「いつか開発現場に行きたい!」との強い思いを抱いていたため、人事の権限を持つ企画部長にその思いを毎日のようにチャットで送りました。

ただ自分の希望を伝えるだけでは認めてもらえないと思ったので、2、3枚程度の新作ゲームの企画書もつけるようにしました。最終的に100ページに渡る渾身の企画書を送ったところ、部長もさすがに根負けしたのか、半年後にようやく「プランナー」として開発現場に配属されることが決まりました。「あきらめなくてよかった! これでスタート地点に立てる」と思いましたね。

そこでゲームの企画の経験を積んだ後、30歳までにプロデューサーになれるようさらなるステップアップを図りたいと、転職を重ね、今のDeNA Games Tokyoにたどり着きました。それが2017年1月のことです。

最初に配属されたのは歴史もののゲームだったのですが、本当はもっと“かわいい系”のタイトルを担当したかったんです。そこで黙っていられない私は、持ち前の押しとガッツで当時直属の上司であった企画部長(現在社長である川口俊)に、ちょくちょくアピールして直接希望を伝えていました。すると、「ちょうどプロデューサーの枠ができたから、やってみる?」と言われ、大喜び。上司を目の前に「やった!」と思わずバンザイしてしまいました(笑)。

念願叶って担当することになったのが、いわゆるデコ系のタイトルでした。
かわいらしく動くキャラクターやアイテムを、プレイヤーのみなさんが好きな組み合わせで飾ることを楽しむゲームです。
プレイヤーは40~50代の女性が中心で、特にガラケーでキラキラと動く“デコメ”を楽しまれていたような方が気に入ってくださって、長くファンになってくれています。

実はほどなくして、「もう一つ、デコ系のタイトルを担当しないか?」と声がかかりました。
なので、現在は2つのタイトルの責任者及びプロデューサーを掛け持ちしています。
こちらはかわいいながらもシュールでちょっと笑える系なのが特徴のゲームで、他タイトルに比べてプレイヤーは30代の女性が多いです。

いずれもプレイヤーの多くが女性ですが、それぞれ趣向や世界観が異なるため、どのようなデザイン、アイテムが好まれるのか、リサーチがとても大切になってきます。

ヒットを生み出すのは、勘やセンスじゃない!

実際にどうやってリサーチをするのかというと……?どちらのタイトルも8年、9年とロングランで続いているゲームですので、長く楽しまれているプレイヤーさんの場合、アイテムを2、3万個持っている方が大勢います。すると、プレイヤーさんが気に入ったものを探そうとする時、あまりに膨大な数なので、皆さん「検索機能」を使って探されるんですね。その検索ワードの履歴を追うことで、いつどんなときに、プレイヤーさんがどんなアイテムを使ってデコレーションしたいと思っているのかを把握することができるんです。

たとえば「ハロウィン」って、10月のイメージがありますよね。でも、検索ワードの履歴を追ってみると、実は9月の後半から「ハロウィン」が検索ワード1位になっていたりするんです。そうしたことから、「9月にハロウィンのイベントを打ち出しても興味を持ってもらえるんだ!」ということがわかってきます。「仕掛ける」ヒントが見えてくるんです。

また、「プレイヤーさんを的確にとらえること」もとても大事になります。「30代女性・主婦」というざっくりとしたプレイヤー像ではなく、具体的にどんな人なのか「人物像」をとらえることがポイントです。たとえばイベントでランキング1位になっている人はどのような方なのか? 主婦だとしたら、何人ぐらいお子さんがいて、どんな時間帯にゲーム「朝は洗濯や掃除をしている時間帯だろうから、終わった頃にイベントのお得情報を流して見てもらおうかな」とか。「今、主婦の間でゴールデンタイムにこのドラマが流行っているから、その時間にイベントの情報を打つのはやめよう」とか。いつどのタイミングで発信したら多くの方に見てもらえるのか、戦略も練ります。

そうしたリサーチを踏まえてイベントの企画やスケジュール、デザインなどに活かし、「それが見事当たった!」時には、この上ない喜びを感じます。ヒットを生み出すのはきっと勘やセンスじゃない。地道なリサーチと想像力なんだろうなとプロデューサー2年目にして、少しずつ実感してきています。

ソーシャルゲーム業界の枠を超えて新たな価値を生み出したい

私自身は、社内で黙々と仕事をするより、社外の方と折衝したりするほうが好きなタイプです。両タイトルとも、社外の方と打ち合わせすることが多いんですね。ただ、打ち合わせ以外にも、自分から売り込みに行ったり、東京ビッグサイトで開催されている展示会などにも足を運んだりしています。

たとえば、アイテムを作る際に様々な人気キャラクターとコラボしますが、販促のためにオリジナル漫画が描けないかや、キャラクター業界以外とコラボできないかなど、ゲーム業界の枠を超えて新しい価値を生み出すことにも挑戦しています。営業の社員が担当するような仕事にも、開発の責任者である自分が一緒に出向くことで、その場でスピーディーに話が進められるメリットもあるんですね。何より私自身が社外の方とお話したり、形にしたりしていくのがとても楽しくて、自ら外に飛び出したくなってしまうのかもしれません。

課題ですか?そうですね…「思い立ったらすぐ行動!」のタイプでもあるので、「気づいたら誰も付いてこなかった!」という状況にならないようにしたいなって(笑)。じっくり進めたいタイプの人もきっといるので、様々なタイプのメンバーに寄り添えるようになるのが課題です。一見、強そうに見えるかもしれませんが、実は凹んだりすることもしょっちゅう。自分自身も皆に頼ったり、助けてもらったりしながら、お互いに協力し合えたら、ますますいいチームになるなと思います。

仕事でちょっと落ち込んだりした時には、思いっきり趣味のゲームと映画鑑賞に没頭します。Hulu(フールー)やNetflix(ネットフリックス)などの映像配信のサービスで、キャ~と怖がりながらホラー映画を観るのもストレス発散です(笑)。ホラーは勧善懲悪のストーリーが多くて、いかにも悪い人が倒されるからスカッとするんです。おいしいものを食べたり、飲みに行ったりするのも好きなので、ゲームと映画とグルメで土日に完全にリフレッシュすると月曜日の朝にはもう復活しています。

今後もプロデューサーとしての力を磨いて、いつか「このタイトルをヒットさせました!」みたいに、ゲーム運営のヒットの法則本を出せるぐらいになれたら(笑)。プロとしてそこまで極められたら最高ですね!

編集後記

プランナーになりたいと毎日部長にアプローチし、100ページもの企画書で見事希望のポジションをゲット! その類まれな行動力とガッツに脱帽でした。「夢は自分で掴み取るもの!」。そのことを改めて思い出させてくれて、取材陣もいつの間にかボルテージが上がり、元気になっていました。
 
とはいえ、そのパワーの原動力は音大時代の苦い経験もあったからこそ。様々な苦悩や苦労を輝きに変えているのだと実感しました。プロデューサーのみならず、経営者になっている姿も思い浮かぶほどリーダーシップにあふれる水野さん。未来の活躍がますます楽しみですね! 

取材・文/伯耆原良子

株式会社DeNA Games Tokyo
DeNA Games Tokyoは「ゲーム運営の力で、日常にいろどりを添える。」をミッションに掲げ、アプリ・ブラウザゲームの運営に特化したDeNAの100%子会社として2015年に設立。DeNAが数十本以上のゲーム運営から得たノウハウを継承・昇華し、ゲーム運営のプロフェッショナルとして「プレイヤーファースト」を心がけたゲーム運営を行う。

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