【BizGenic】#16 李ケイさん / チーフサーバーエンジニア

【BizGenic】#16 李ケイさん / チーフサーバーエンジニア

自分らしくイキイキと働く人の姿は、誰の目にも魅力的に映ります。『BizGenic』(ビズジェニック)は、そんな働くことを楽しむ女性にフォーカスしたインタビュー企画です。彼女らの仕事に対する姿勢やプライベートの楽しみ方、元気の源は一体どこにあるのかを探ります!


BizGenic プロフィール #16

ファンプレックス株式会社
李ケイ(り・けい)さん

2012年、北京の大学院を卒業後、新卒でグリー株式会社に入社。サーバーエンジニアとして、複数のグリー内製タイトルで経験を積み、2016年にファンプレックス株式会社に出向。出向後は、グリー内製タイトル「聖戦ケルベロス」や少年誌系大型IPタイトルを担当する。エンジニアとしての高いスキルと誠実な人柄が評価され、2019年2月には社内で女性初のチーフサーバーエンジニアに就任。趣味は日本のアニメや漫画を楽しむこと。アニメや漫画を通じて、日本に興味を持ち、日本語も上達できたそう。

若いうちに海外でチャレンジしたい! 勇気を出して日本へ

大学院を卒業するにあたり、就職先を探したのですが、中国国内ではなかなか理想的な職場が見つからず……。そんな時に、日本の企業が一堂に集まる「就職フォーラム」が開催されることを知りました。もともと日本のアニメや漫画が大好きで、大学院で日本語の授業を一年ほど受けていたこともあり、「いい機会だから、行ってみよう!」と気軽な気持ちで参加してみました。

そこには様々な業界の優良企業が集まっていました。鉄鋼やメーカーなどエンジニア職でいくつか面接を受けると、思いがけずとんとん拍子で選考が進み、複数の企業様から内定をいただけて、その中の1社であるグリーに就職を決めました。というのも、私自身、エンターテインメント業界に興味があったのと、これからの時代はスマホでのゲームが主流になり、どんどん伸びていくだろうと思ったからです。

また、「若いうちに海外に出て、もっと広い世界を見てみたい! 未知の領域にチャレンジしたい!」という想いもあったので、日本で働けることになってすごくうれしかったのを覚えています。

ただ、ちょっと不安だったのは、言葉の壁や生活習慣・文化の違いがあること。大学院で日本語を勉強していたとはいえ、日常会話レベルだったので、仕事で通用するのだろうかという懸念はありました。両親も国内を出て、海外で働くことに対してとても心配していて……。心に様々な不安を抱えながらも、勇気を振りしぼり、2012年に日本にやって来ました。

お客様からの反響をリアルタイムに感じられるのが、ゲーム運営の大きな魅力

エンジニアとしての採用でしたが、すぐに開発の部署に配属されるのではなく、まずは半年間、日本語の研修を受けさせてもらえることになりました。職場に入る前に日本語だけをみっちりと学べるということはありがたかったですし、安心できましたね。自分でもプライベートの時間に日本のアニメや映画を観たりして自主練をしましたが(笑)、その研修の半年間で、だいぶヒアリングや会話のスキルも上がったように思います。

実際に職場に入ってからも、上司やチームのメンバーがとても優しく接してくれて、わかりやすく話してくれたのでとても助かりました。ただ、開発の仕様についてはどれだけ丁寧に説明してもらっても、細かい部分の日本語がわからない時もあるので、そういう場合はある程度自分で構築してみて、「これで大丈夫でしょうか?」とその都度確認しながら、進めていきました。

最初のうちはどうしても時間がかかってしまいましたが、親切なメンバーのおかげで少しずつ理解できるようになり、業務のスピードも上がっていったかなと思います。

グリーのエンジニアとして複数の内製タイトルで経験を積み、ファンプレックスに参画してからはもう2年が経ちました。私はグリーに在籍していたころから運営の仕事を担当しているのですが、新規開発とは異なる運営ならではの魅力を感じています。それは、「お客様との距離が近いこと」です。

運営は、既にゲームを楽しんでくださっているお客様がいる環境の中で仕事をしていきます。新規開発とは異なり、運営はお客様からの反応をリアルタイムに肌で感じながら仕事ができるのでとても面白いんです。

たとえば以前、自分が担当した仕事に対して、お客様から「神運営!」とお声をいただけたことがありました。そうやってお客様から生の声や反響が返ってきたりすると、やりがいを感じますし、何よりうれしいですよね。

エンジニアは、誰かが描いた夢を現実にする仕事

プランナーが、「こういうものを作りたい!」という“夢を描く”仕事なら、それを“具現化していく”のがエンジニアの仕事だと思うんです。誰かの夢を現実にする――。それって、素晴らしい仕事だなって。

エンジニアは基本的に裏方で、表に出ない存在ですが、自分たちが手がけた仕事によって何かが形になったり、それによって感動が生まれたりすることに、人一倍喜びを感じるものです。きっとエンジニアは皆、誰かの夢を現実にした時、心の中で密かにガッツポーズしているのではないでしょうか(笑)。

ただ、エンジニア、プランナー、デザイナーなど、誰かが欠けてしまっては夢を現実にできません。それぞれのプロが皆で協力し合いながら形にしていき、画面の向こうで楽しみにしてくださっているお客様にゲームをお届けする。こういったところも、ゲーム運営という仕事の醍醐味だなと感じています。

もちろんこの仕事は、楽しいことばかりではなく、大変なことも多々あります。以前の出来事なのですが、当時、担当しているゲームの周年イベントのタイミングで、リリース初期に遊んでくださっていた多くのお客様たちが再びアクセスしてくれたんです。たくさんのお客様に遊んでいただけるのはありがたいことだったのですが、私たちが予想していた以上の反響で、サーバーに負荷がかかってしまい、機能の一部がシステムトラブルに陥ってしまったんです。お客様から連日多数の問い合わせがあり、その対応に追われることになりました。

私としては、「原因は絶対これだ!」と特定していたので、自信を持って修正をかけてみたところ、なかなかうまくいかず。自信満々で試みたので、あまりのショックでがく然としました。「自分はエンジニアとして、もうダメなんじゃないか? 向いていないんじゃないのか?」と、落ち込むほどでした。

でも、大勢のお客様が毎日復旧するのを待っている。その期待を裏切ることはできないと気持ちを奮い立たせ、解決に向けて原因究明にいそしみました。数週間ほどかかりましたが、無事に原因を特定できて復旧した時は、エンジニアとしてたくましくなれたなと思いましたし、ひと回り成長できたかなって。困難を乗り越えて、チームの結束も高まったように思います。

そして、多くのお客様がこのゲームを愛してくれていたこと、再び好きになってくれたことを再認識できて、貴重な経験になりました。

社内で女性初のチーフサーバーエンジニアに就任!

新たな変化としては、今年の2月にチーフに昇格しました。実は社内で“女性初のチーフサーバーエンジニア”に就任したということで、大きな責任も感じています。
 
私自身、初めてリーダーという立場になり、ここ数カ月でだいぶ考え方も変わってきましたね。自分の業務だけではなく、チーム全体のことや、一人ひとりが抱えている状況・想いなど、視野を大きくしながらも、一方で細かく見ていかなくてはなりません。

まだまだ試行錯誤で足りない部分も多いのですが、私としてはメンバーが自分の仕事にモチベーション高く取り組めるように、それぞれが“自分のやりたいことをやれる”環境を作っていきたい。あくまで理想ですが、そんなリーダーに近づけるように頑張りたいと思っています。

そう思えるのは、ファンプレックスのメンバーが心温かく、何事にも前向きに取り組む人たちばかりだからです。仕事という関係性だけじゃなくて、プライベートでも皆で食事に行ったり、旅行に行ったりと、ともに楽しい時間を過ごす“大切な仲間”にもなっています。

日本に来て6年が経ち、これまでいろんな観光地に行きましたが、エンタメが好きな私としては、やっぱりUSJが一番のお気に入り! これまでに4回も足を運んでしまいました(笑)。時々中国にも帰りますが、日本での生活をエンジョイしている私の姿を見て、両親もホッとしているようです。
 
あの時、勇気を出して日本に来てよかったな、と心から思います。私の人生にとって、かけがえのない経験となっています。これからもこの地で、エンジニアとしてのスキルやマネジメント力を磨き、ステップアップしていきたいと思っています。

編集後記

一つひとつ言葉を選びながら、美しい日本語を話してくれた李さん。「そんな難しい日本語をよくご存じで!」と思うほど、ボキャブラリーが豊富でどんどんお話に引き込まれていきました。真っ直ぐで誠実なお人柄、そして時折見せるチャーミングな笑顔が印象的で、取材陣一同、すっかり李さんのファンに。こんなエンジニアの方がいたら、何が起きても安心! そして李さんのような、心の広いリーダーのもとで働きたいと思ってしまうほどでした。

まだまだ日本食に慣れず、特に納豆は大の苦手だそう(笑)。故郷の味が「元気の源」だという李さん、いつまでもご自分らしく、日本での生活を楽しんでいただきたいと思います! 

取材・文/伯耆原良子

ファンプレックス株式会社
ファンプレックス株式会社は、ソーシャルゲームのパイオニアであり業界最大級のプラットフォーマーでもあるグリー株式会社が長年培ったゲーム運営のノウハウを結集し、2015年に運営特化型の企業として誕生。高度な「開発」技術に加えて、お客様の反応を見ながらゲームを作り上げていく「運営」の双方が求められるモバイルゲーム市場において、楽しみにしてくださるお客様に対してサービスを1日でも長く届けることを使命にゲーム運営を行う。

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