なぜマルチタスクが良くないのか?
複数の作業を同時並行でこなしていくマルチタスクよりも、1つ1つの作業を順番にこなしていくシングルタスクの方が効率は良いとされています。マルチタスクは時間あたりの密度が濃いように見えて、実際は生産性を下げてしまい、むしろ逆効果になってしまうのです。
なぜならデジタルが発達してマルチタスクが可能になったとしても、人間の脳は原始時代と変わっておらず、脳のリソースや費やせる集中力には限りがあるからです。
各国の研究でも、マルチタスクを行うことでIQが通常よりも下がったり、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され脳の処理機能が落ちると言われています。
実はマルチタスクというのは脳内で2つ以上の作業を同時にしているわけではなく、1つの作業を高速で切り替えているだけだとわかっています。思考や決定回数が増える毎に脳にかかる負担も大きくなり、エネルギーを余計に消費してしまいます。そのため集中力が切れやすく、重要な作業に身が入らなくなることで作業の質もスピードも落ちてしまうのです。
忙しいけれども仕事が捗らないという人は、集中力を1つの作業にのみ費やし負担を減らす、つまりシングルタスクの方に切り替える必要があります。
シングルタスクの環境を整える
シングルタスクを行うにあたり、最初に作業環境を整えなければいけません。具体的には気を散らせてしまう誘惑を周辺から排除することで、テレビや電話、スマホといった余計なアイテムが該当します。
スマホが手元にあるだけで注意が外れて、気がついたらSNSやネットサーフィンをしていたということにもなりかねません。
仕事の際はデスクの上は必要最小限の物だけ残し、その他電子機器などは電源を切って、目の付かないどころにしまっておきましょう。
TO DOリストを作り作業内容と優先順位を明確にする
マルチタスクになってしまうのは、本来やるべき作業とその優先順位が定まっておらず、一度に手をつけてしまうことが原因です。
シングルタスクでは1つの作業が終わったら次の作業に切り替え、順番に処理していきます。その際に作業に優先順位を割り振り、重要度の高いものから取り掛かっていくとスムーズです。
そこで役立つのがTO DOリストと呼ばれる、一日の作業のスケジュール張です。手書きでもデジタルでも構いませんが、TO DO、つまりやるべき作業を書き出し、締め切りが近いものや重要度が高いものから順番に優先度を決めていきます。
そうして見える化することで頭の中が整理されるので混乱が減り、A→B→C…とテンポよくタスクを処理できるようになりますよ。