マルチタスクは本当に効率が良いのか?
マルチタスクとは複数のタスクを同時並行で行う事であり、一方で1つの作業を順番に進めることをシングルタスクと呼ばれています。マルチタスクとシングルタスク、両者を比べてみると、一見してマルチタスクをする人の方が効率的な印象があります。
ただ、実際はそのイメージはステレオタイプに過ぎません。マルチタスクというのは集中力を分散させ作業効率を落とすだけでなく、時間が細切れになることで達成感が感じられなくなり、焦りやプレッシャーすら感じるようになってしまうとわかっています。
例えば2005年に行われたロンドン大学精神医学学科のチームによる研究では、メールや電話で気が散らされたビジネスマンのIQはマリファナを吸引した時の2倍ほど低下している、というデータが示されています。
仕事をいくつも抱えてそれらを同時並行で進める人は、単位時間あたりの生産性が高いかといえば決してそうではなく、むしろマイナス効果を被っているのです。
仕事はもちろん、日常生活においてもマルチタスクの弊害は存在しています。テレビをつけながら本を読む、スマホを横に置きながら勉強するという行為も、おそらく時間あたりの作業を増やして無駄を減してくれるように見えますよね。
しかし残念ながら目移りを繰り返す事で効率はむしろ悪くなり、1つずつ作業するよりも生産性を落としてしまうのです。内容も頭に入らないので、「気がついたら1日が終わっていた」という焦りの感覚だけが残ってしまうのです。
シングルタスクに切り替えましょう
マルチタスクというのは結局のところ、タスクの切り替えの回数が多くなる事で脳の負担を増やし、作業効率を落としてしまいます。優先するべき作業に回す分の集中力を、その他の重要度の低い作業にも割く事でいわゆるどっち付かずの状態になるので、極めて非効率的なのです。
解決策としては、仕事や生活の環境から誘惑になりそうなスマホやテレビを排除して、目の前の作業1つにのみ集中するシングルタスクに切り替える事です。
スマホが手元にあるだけで気が散るので、電源を切りバッグの中にしまっておくようにしましょう。複数の作業を並行するのではなく、1つの作業を優先順位ごとに順番に終わらせていく方が、生産性も作業スピードも上がるのです。
また、シングルタスクにより時間を有効に使えるようになるので、時間を無駄にしている焦りやプレッシャーもなくなり、仕事や生活の満足度も高くなりますよ。
マルチタスクをやめましょう
複数の作業を同時並行で進めるマルチタスクは、時間を有効活用している感覚だけは感じる事ができるかもしれません。ただし実際は集中力を落とし気が散っている状態になり、成果も達成感も感じられないなど、デメリットの方が大きくなってしまいます。
優秀な人はマルチタスクという幻想は捨てて、作業に優先順位をつけてそれらを順番にこなしていくシングルタスクに切り替えるようにしましょう。そうすればマルチタスクの人以上に、仕事や生活の質を高めることができますよ。