【BizGenic】#31 久保田史洋さん / AIエンジニア

【BizGenic】#31 久保田史洋さん / AIエンジニア

自分らしくイキイキと働く人の姿は、誰の目にも魅力的に映ります。『BizGenic』は、働くことを楽しむビジネスパーソンにフォーカスしたインタビュー企画です。彼らの仕事に対する姿勢やプライベートの過ごし方、元気の源は一体どこにあるのかを探ります!


BizGenic プロフィール #31

Hmcomm株式会社
久保田史洋(くぼた・ふみひろ)さん

大学院を卒業した後、ファクトリーオートメーションの開発を手がける技術商社に入社。その後、2018年12月にHmcomm(エイチエムコム)に転職し、「異音検知、環境音検知ソリューション」の事業部門でAIエンジニアとして様々なプロジェクトに従事。新人の教育担当も任されるなど、チームの中核メンバーとして活躍する。毎朝3時間、好きな分野の勉強をするのが日課であり、楽しみの一つ。

働く上で大事なのは、「知的好奇心」を満たせるかどうか?

大学院で物理を学び、卒業後はファクトリーオートメーション(工場自動化)の開発を手がける技術商社に入社しました。世界中から最先端の技術を集め、製造工場の効率化を図るためのシステムを開発している会社で、僕はその中でも「技術サポート」を担当。お客様の課題をヒアリングしながら、システム構築の提案をする仕事を行っていました。

職場はとても働きやすく、待遇面も申し分なかったのですが、少しずつ気持ちに変化が表れました。自分が働く上で最も大事にしている「知的好奇心」を、もっともっと満たしたいと思うようになってきたのです。入社してまだ1年も経っていない中で、「次の職場に移るのはどうなんだろう?」とためらいもありましたが、それ以上に自分自身が求める、「知的好奇心が満たされるかどうか?」という軸はぶらしたくありませんでした。

やはり「転職しよう!」と心に決め、以前から興味のあった人工知能(AI)の開発を行っている会社をチェック。その中で音声認識技術など、「音」に特化したシステムを開発している Hmcomm(エイチエムコム)に目が留まりました。学生時代からずっと物理を学んでいたので、物理学の一種である「音」にも前々から関心があったからです。

面接を受けた帰り道、「この会社でエンジニアの仕事ができたらいいなぁ」と思いながら、最寄り駅まで歩いていると、いきなり人事の方から電話が!「採用」の連絡をもらって、びっくりしてしまいました。どうやらこれまでで最速の採用通知だったらしいです(笑)。そうしてスピーディに転職が叶い、2018年12月に入社することとなりました。

「音」の世界から、未来と社会を変えていく

Hmcommについて少し説明すると……。「国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)」からスタートしたベンチャー企業で、産総研独自の音声処理技術を用いた研究開発やソリューションを展開しています。

事業は大きく分けて2つあり、その1つが音声をテキスト化する「音声認識技術」を使ったソリューションです。このシステムは今、様々な業界でニーズがありますが、中でもコールセンター向けに開発したソフトウェアは引き合いが多く、著しい伸びを示しています。その背景には、コールセンターで日々電話応対をしているオペレーターの“手間の多さ”にあります。オペレーターは、お客様から問い合わせがあった際、その場で入力しているように見えますが、実際は電話を切った後に録音を聞き直して入力・対応しているケースが多いそうなのです。

そこで弊社では、コールセンター向けに「VContact」というソフトウェアを開発し、オペレーターとお客様との会話内容をリアルタイムでテキスト化。その内容を即座に分析し、お客様からの問い合わせに応じた回答候補を画面に表示することで、オペレーターの業務を大幅に削減することが可能となりました。そうした「VContact」をはじめ、音声認識技術を使った業務効率化に役立つソフトウェアを次々と開発しています。

そしてもう1つの事業が、異音検知や環境音検知のソリューションです。僕が開発を担当しているのは、この後者の事業になります。たとえば、航空機や電車、工場などの精密な機械設備は熟練したベテランの整備士でないと、故障につながる“異常音”を聞き分けることはかなり困難です。それらをAI技術によって、自動的に異常音を検知することで、人を介さずに故障を未然に防いだり、安全性を向上させたりすることができるのです。

面白いところでは、豚や牛など家畜の「鳴き声」から、風邪や感染症などの身体的な異常を検知するシステムも開発中です。これらのAIによる検知システムが開発され、世の中に広まれば、多くの産業でより安全性や生産性を高めることができる――。その分、 “人間にしかできない”仕事に力を注げるようにすることが、僕たちが目指している未来なんです。

解析作業は泥臭い でも、すべてのトライが「糧」になる

異常音を検知するためのAIシステムを開発するまでには、かなり膨大な作業があります。まずは様々な現場に赴いて、ひたすら「音」を収集し、分析していくからです。

「音」は通常、「大きい・小さい」「高い・低い」といった指標で表しますが、それらを目に見える形にするためにはグラフ化して、スペクトルで表す必要があります。その波形の微細な変化を読み取り、何かしら意味のある情報を抜き出さなくてはなりません。いわゆる“解析作業”をするのですが、毎回トライ&エラーの連続で、むしろ空振りに終わることがほとんどです。

その空振りを「失敗」と見なせば、無意味なものになってしまいますが、「情報」としてチーム全体で共有すればノウハウとして蓄積され、次からの解析作業はもっとスムーズなものになります。解析作業は泥臭く、決して楽なものではありませんが、すべてのトライが「糧」になると思うとそのプロセス自体も楽しい。僕自身はとてもやりがいを感じています。

まだ入社して1年なのですが、続々と若いエンジニアが入ってきているので、すでに古株状態に。新しく加わったメンバーの教育担当も任されるようになりました。

自分が入社した当初は、まだ部署が立ち上がって間もない時期だったため、実際の業務に入るまでにだいぶ時間がかかってしまいました。なので、新しく入ったメンバーにはできるだけ早くプロジェクトに加わって担当業務に邁進してほしい。自分なりに業務のマニュアルを作成するなど、日々試行錯誤しながらメンバーの教育に当たっています。

実力も経験もまだまだ十分ではないにもかかわらず、こうして人材育成やチームづくりなどチャレンジの機会を与えてもらえることはありがたいですし、きっと成長するスピードも速いのではと感じています。

朝4時半からの勉強タイムが、一日の活力の源!

エンジニアの場合、「かなり多忙で残業も多いのでは?」と思われるかもしれませんが、ほぼ毎日、定時に帰ることができています。僕にとっては「定時に帰れる」というのも働く上で譲れないポイントで。それは毎晩21時半に寝て、朝4時半に起きるのを日課にしているからなんです。

なぜ、こんなに早く起きているかというと……?

出勤前の3時間、静かな環境でじっくりと勉強したいからです。勉強といってもAIやプログラミング、物理、哲学など自分の好きな分野なので、学ぶこと自体が楽しいんですね。仕事後の夜の疲れた時間帯より、朝クリアな状態で勉強するほうが何倍も吸収できるし、その日に学んだことがすぐ仕事にも活かせます。毎朝の3時間は自分にとって欠かせないもので、一日の活力の源にもなっている気がします。

もちろん会社の同僚や友人と飲みに行くこともあります(笑)。気心知れた仲間とお酒を飲むのも好きで、リフレッシュできる時間なんです。

僕自身、「将来はこうなりたい!」という強い願望がないというか……。何かを目指すよりも、今目の前にあることを楽しんだり、周りにいる人たちを大事にしていきたいという思いがあります。たとえ仕事で成果を挙げても、身近にいる大切な人たちとの関係をおろそかにしたら意味がないなって思ってしまうんです。

今の職場もいい仲間に恵まれていて、和気あいあいと会話をしたり、時にお互いの考えをぶつけ合ったり、黙々と研究に打ち込んだりと、まるで大学の研究室みたいです。これからも周りにいる仲間を大事にしながら、目の前の仕事や勉強に精一杯取り組んでいきたいですね。

編集後記

爽やかな好青年といった印象の久保田さん。これまでの経歴を伺うと、かなり優秀なエンジニアで、「引く手あまただろうなぁ」とお見受けしました。チームメンバーへの気配りや愛情があふれていて、なおかつ勉強熱心。朝4時半起きの勉強は大学時代から続けているそうで、「その時間が何より楽しい」というから驚きです(笑)。まさに朝活のエキスパート! それなのにまったくもってガツガツしておらず、どこまでも自然体なのが素敵です。AIの未来を切り拓く、エンジニアの代表として活躍されることでしょう。 


取材・文/伯耆原良子

Hmcomm株式会社
2012年に創業。「音から価値を創出し、革新的サービスを提供すること」を理念に、独自の音声処理技術を基盤とした要素技術の研究開発、 ソリューションを展開。音声(言語)をテキスト化する「音声認識技術」を使ったソフトウェアの開発をはじめ、航空機・電車などの乗り物や工場の機械設備、家畜などの異音検知システムの研究開発を行い、各産業への導入を図る。

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