【書評】資金調達の方法を知る『寄付金・クラウドファンディングの集め方』

【書評】資金調達の方法を知る『寄付金・クラウドファンディングの集め方』

一般的にお金は「稼ぐもの」という認識があります。間違いではないものの、お金を調達するには、「寄付金」という手もあります。手段は違いますが、「お金を集める」という点では、違いはありません。そこで今日は、「お金を集める」方法についてまとめた一冊をご紹介します。


著者・あらすじ

佐藤しもん

国際連合世界食糧計画WFP協会マネージャー。NPO法人全日本育児普及協会代表理事、会長。世界最大の人道支援団体でマネージャーとして勤務するかたわら、子育て支援のNPOを創設する。ファンドレイザーとして、国内では数少ない、10億円の寄付金を集めた実績を持つ。海外のイベントや、内閣府、教育委員会からも依頼を受け、講師として登壇多数。二児の父。

あらすじ

ファンドレイザーで有名な著者が、「お金を集める方法」について解説します。「クラウドファンディングとは?」「寄付金の集め方」「ウェブから集める方法」など、資金調達の基本が学べます。

1. クラウドファンディングを知る

本書は、寄付金とクラウドファンディングを解説したものですが、最近よく耳にする「クラウドファンディング」とは、一体どんなものなのでしょうか?クラウドファンディングとは、crowd(群衆)funding(資金調達)を合わせた造語のことで、不特定多数の人から資金を集めることを指します。

注目すべき点は、インターネット用語である「cloud(雲)」ではなく、「crowd群衆)」という点です。誤解しやすいのが、クラウドファンディングというと、インターネットを通じて資金調達することを思い浮かべます。しかし本来の意味は、さまざまな媒体を通じて、一般の人から資金を募ることなのです。このクラウドファンディング市場は、2018年では130億円ほどの市場があり、年々右肩上がりに伸び続け、今後もさらに伸びると予想されています。

では、どうしたらクラウドファンディングでお金を集めることができるのか?著者が紹介しているコツが、「『私、今とても困っています』とアピールすること」です。これはスタンダードでありながら、小額の資金であれば、最もお金を集めやすい方法です。人の感情に直接訴えることで、共感を得ることができるからです。このことから、インターネットが普及した今、クラウドファンディングを使えば、より多くのお金を集めることができるでしょう。

2. 寄付金の集め方

資金調達をする上で、外せないのが「街頭募金」です。実のところ、この街頭募金はやり方次第でお金を多く集めることができるのです。著者の事例でいえば、土曜日のお昼から夕方までの5時間、川崎駅前で5人で募金活動した場合、2万円から80万円集めることができるといいます。このお金の開きは、集め方を知っているか否かの違いです。その要素は「活動スタッフの数」「募金箱の数」「募金箱の大きさや色」「スタッフの身なり・グッズ」「時間と場所」「訴求物」の6つです。

特筆すべきは、「活動スタッフの数」「募金箱の大きさや色」です。「募金箱の数」は多い方がよいとされています。1チーム10人くらいが理想で、明るく盛り上げることが重要だといいます。なぜなら、2~3人では、寂しさが出てしまうこと、また10人であれば「やまびこ方式」が狙えるといいます。「やまびこ方式」とは、一人が「募金をお願いします」と言ったら、他のスタッフが続けて「募金をお願いします」とやまびこのように言葉を繰り返すことを指します。これが、通行人にとって「募金活動をしている」といった認識に繋がるからです。

「募金箱の数」も多い方がよいとされています。可能であれば、活動スタッフ1人につき1個。その理由は、募金箱を多くすることで、募金する機会や場所が増えるので、結果的にお金が多く集まるからです。著者が行った実験では、それぞれ5人編成で「5人で2つの募金箱」と「5人で5つの募金箱」では、「「5人で5つの募金箱」の方が、2倍も募金を集めることができたといいます。このように、募金もやり方ひとつで大きな差が出てしまうので、まずは募金に必要な要素を押さえておく必要があるのです。

3. デジタル資金調達法

インターネットが普及した現代において、ネットツールを活用しない手はありません。そこで著者がすすめるのが「ウェブサイトから寄付を集める」というものです。これは、自社や自団体のウェブサイトを作り、そこから寄付金を集めます。手順は以下のようになります。まずは、寄付に訴求できるランディングページを作成します。寄付に特化したランディングページを作ることで、寄付金が集まりやすくなるからです。

さらに、ランディングページを作成したら、SNSやメルマガ、オンライン広告などを使い、作成したランディングページへと誘導します。この「ウェブサイトから寄付を集める方法」の最大のメリットは、初期費用、CPA(顧客獲得単価)が低く抑えられる点です。では、どのようにしてランディングページに誘導すればいいのでしょうか?そこで効果を発揮するのが「写真・動画・キャッチコピー」です。

「写真」は第一印象であり、いかに相手の心に訴求できる写真にするかが、決め手となります。「動画」も相手の心に訴求できる内容であることが理想です。そして、相手に何かしらのアクションを起こしてもらうためには、「キャッチコピー」です。こちらも相手にインパクトのあるコピーにすることで、ランディングページに誘導しやすくなるのです。これらに注力することで、ランディングページに誘導することができ、結果、お金が集まるのです。

まとめ

『寄付金・クラウドファンディングの集め方』をご紹介しました。今後もネットを活用したツールが続々と出てくることは間違いありません。簡単で便利である反面、相手の心に訴求するのは、至難の業です。そこで考えるべきは、「ネットとリアルの結合」です。ネットで認知させ、リアルな対面の活動とセットにすることで、さらに認知度を上げ、寄付金を得ることができるからです。

MinSuku
Partner Agent
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