英アストラゼネカの新型コロナワクチンの有効性は平均70%と発表
英製薬大手のアストラゼネカは、同社が開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験の最終段階の結果を発表し、感染を予防できる有効性は63%〜90%で平均で70%であることを発表した。
今回発表されたのは、英オックスフォード大学と、英製薬大手のアストラゼネカが共同開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、臨床試験の最終段階の状況が発表されたもの。
これによると最終段階の臨床試験には、イギリスとブラジル、南アフリカから計2万4,000人が参加。1回分の投与を2ヶ月間に2回受けた人の有効性は63%で、1回分の半分の量を投与し、1ヶ月後に1回分を追加したグループでは90%の効果を確認したとのこと。平均すると70.4%の有効性が確認されたとしている。
先行する米モデルナ社や、米ファイザー社に比べると有効性では劣るようにも見えるが、通常のインフルエンザウイルスのワクチンの有効性は、概ね20~60%の発病防止効果と言われているだけに、これらに比べると遥かに優秀なワクチンと言えそうだ。
また、アストラゼネカのワクチンにはもう一つの有利なポイントがあり、先行する2社の物に比べてはるかに安価となっているほか、普通の冷蔵庫(摂氏2〜8度)で保管できるため、世界各地に普及しやすいことが利点とされている。
日本も同社と1億2000万回分の供給を受けることで合意しており、日本が契約する3社のワクチンの最終結果が出そろったことで、来年春までには供給という流れに進んでいきそうだ。