【書評】負けない投資法を学ぶ『逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略』

【書評】負けない投資法を学ぶ『逃げて勝つ 投資の鉄則 大負けせずに資産を築く10年戦略』

今、多くの人が「投資」に関心を寄せています、コロナの影響もあって、会社だけの収入では、不安を感じている人が多いからです。しかし知っての通り、投資したからといって、儲かるわけではありません。投資して損をするのでは、それこそ本末転倒です。そこで今日は、大負けしない投資のルールについて学びを深めましょう。


著者・あらすじ

田中泰輔

田中泰輔リサーチ代表。1983年慶應義塾大学経済学部卒業。米欧日のメガ金融機関9社で35年にわたり市場戦略業務を担い、内外主要アナリスト調査で20年以上トップ級に選出(日経ヴェリタス金利為替部門5年連続1位)されるなど、高い評価を得てきた。2018年、プロのノウハウと知見を幅広く投資家・企業に提供すべく独立。

あらすじ

国内外の主要アナリストランキングで20年以上トップに選出される著者が、「投資」についてまとめます。「売り時が重要な理由」「コア・サテライト投資」「売り時の見極め方」など、負けない投資の方法をレクチャーします。

1. 売り時を見極めるのがポイント

本書のタイトルでもある「逃げて勝つ投資」。なぜ著者は「逃げて勝つ」ことをすすめているのでしょうか?その理由は、ここ30年の歴史を見れば一目瞭然です。実のところ、市場は、この30年間でおよそ10年に一度以上深刻な暴落に見舞われています。大きなものとして、1987年ブラックマンデー、1990年日本株バブル破裂、2000年IT株バブル破裂、2008年リーマンショック、2011年南米債務危機、新興国通貨暴落、2020年新型コロナと相場暴落は枚挙に暇がないのです。

そんな中、著者は売り逃げ時期を見極め、激動の時代を生き抜いてきました。そもそも、「売り方」は、買い方以上に重要だとされます。よくある失敗のケースとして、相場の上場で含み益が膨らむと気が大きくなり、リスクへの警戒心が薄れることです。もっと相場が上昇するかもしれないと売り時を見誤り、その後相場は下落、含み損に陥ります。

やはり、そこで必要となってくるのが、自らを納得させるようなロジックな売り方です。買いから売り、投資の勝算とリスク、市場のメカニズム、情報と行動の歪みなど、相場の実像を明らかにする必要があるのです。著者が掲げるポイントは、「売り逃げるシグナルの見極め」です。この見極めができれば、コロナショックはもちろん、これから先10年で起こる相場暴落にも対応できるのです。

2. 「コア・サテライト投資」とは?

著者の勧める「逃げて勝つ投資」は具体的に、どんな投資法なのでしょうか?その基本となるのが「コア・サテライト投資」です。「コア」とは、老後資金への備えとして、20年、30年という長期にわたる投資を指します。経済成長に沿った市場平均の収益を目的とします。

さらに利子や配当などの収入も、低コストで効率的に投資します。主に、日本や米国など海外の代表的株式インデックスと連動したETFでの分散を行います。この「コア投資」は、保有を推奨できる投資商品は限られます。したがって、価格変動の大きいリスキーな商品や個別株は、「サテライト投資」で対応していきます。

「サテライト投資」とは、戦略的投資のことで、長期ではなく短い期間で、高収益を狙います。その資産は主に、株式、新興国通貨、金などの商品、REITを含む不動産などです。コア投資とサテライト投資の資産配分は、さまざまで自分の投資余力に応じて、決めていく必要があります。以上をまとめると、コア・サテライト投資のイメージとしては、コア投資の抱えるリスクを、サテライト投資で回避するといったものです。

3. 時間軸を決めておく

著者は、コア・サテライト投資を行う上で、必ず必要となってくる鉄則をあげます。それが、「投資の時間軸に合わせた構えをとる」です。「逃げて勝つ」には、売り時の見極めが重要だと述べました。しかし、このタイミングを計ろうにも、投資には景気、経済指標、金融政策、政治・政局、要人の発言、大口の売り、チャートのシグナル、米中摩擦、少子高齢化など多岐にわたる情報があるため、その見極めが難しいのです。

このような情報の渦に飲み込まれないための方法の一つとして、「自らの時間軸を定め、それに合った構えをとる」ことです。著者がすすめるのが、相場を4つの軸に分けることです。1つめが、「構造的トレンドの超長期」。10~30年を軸にします。2つめが「景気サイクルを映す長期」。2~10年を軸とします。3つめが、「金融現象の中期」。3ヶ月~2年を軸とします。4つめが、「投機主導の短期」。日中~3ヶ月を軸とします。

これら時間軸を決めると、自らの投資に合った情報を選別でき、視界やフットワークを良好にしてくれるのです。そして、それぞれの時間軸に合わせた構えをとることで、リスクを避けながら含み益を出すことができるのです。注意すべき点として、超長期、長期、中期、短期で見るべき情報や対応する相場変動は異なる点です。それを踏まえ、4つの軸の特質に合った情報精査が必要になってくるのです。

まとめ

『逃げて勝つ 投資の鉄則』をご紹介しました。著者は最後に、「相場に悩まない『長期+分散+積み立て』投資やAIお任せ投資で、日常に疑問を持たなくなるようでは思考停止に陥る」と述べています。わたしたちは、知らないことや未知のことに対して、誰かを頼りたくなる性質があります。はじめのうちは、型を習得するために必要ですが、誰かに頼り切りでは、文字通り思考停止状態に陥ります。したがって、自分の頭で考え、自分なりの答えを出すことが重要なのです。

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