花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が体内に入ることで、それらに反応する抗体が引き起こす症状のことです。花粉症のおよそ7割がスギ花粉によるものという見方もあり(日本アレルギー協会)、この時期に強い症状に悩まされる人が多いのも納得です。
環境省によると、今年度の花粉の量は、昨年並みか多い状況にあるという見込みです。できるだけ有効な対策を考えておきたいですよね。
環境省では、林野庁と協力して、スギ花粉の飛散予測のための参考情報として、毎年、スギ雄花(おばな)の花芽(はなめ)調査を行い着花量(ちゃっかりょう)(花粉生産量)を発表しています。 今年のスギ雄花の着花量は、昨年同時期と比較して全国的に昨年並みか、多い状況にあります。例年と比較しても全国的に昨年並みか多い状況にあります。
花粉は付着させない、持ち込まない
花粉症の対策の基本は、花粉を避けることです。身体に花粉を付けないようにしたり、部屋に持ち込まないようにすることで、くしゃみや目のかゆみなどの症状が出ないように心がけましょう。具体的にはどんな方法があるでしょうか。
■外出時の対策 マスクとメガネで花粉をシャットアウト
この時期は、マスク姿の人を多く見かけます。体感としてマスクの効果を感じている人が多いからかもしれません。それもそのはずで、マスクの着用で、吸い込む花粉の量をおよそ3分の1から6分の1に減らすことができると言われています。次のポイントに気を付けて着用しましょう。
・顔とマスクの間にすき間ができないよう、正しい方法で着用する
・使い捨てのマスクを選ぶと、花粉の付着予防にも衛生的にも安心
・マスクの内側に、湿ったガーゼや化粧用コットンを挟み込むとさらに効果的
メガネをかけることで、目に入る花粉量は約4割に減ると言われています。花粉症専用のゴーグルを選ぶと、さらに効果は高いといえますが、通常のメガネの方が取り入れやすいでしょう。普段メガネをしない人も、伊達メガネを試してみてはいかがでしょうか。
また、髪の毛を守るために帽子をかぶったり、花粉の付着しにくいつるっとした素材の衣類を選ぶことも有効です。コートなどによく使われるウール素材などは、花粉を抱き込みやすいため、避けた方がよさそうです。
マスクの着用も有用です。通常のマスクに湿ったガーゼを挟み込むだけ
でも効果があります。
■グッズを上手に利用して花粉対策
マスクやメガネでカバーできない部分には、便利な対策グッズを取り入れることもできます。花粉の付着を軽減させると人気のスプレーは、手軽で持ち運びにもよさそうです。

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■帰宅したら花粉を落とす、部屋から無くす工夫を
外出から戻ったら、帽子、上着などをブラシ等で払いましょう。できるだけ居室から離れた場所で行うといいですね。花粉を舞い上げないように、やさしく上から下に払います。
シャワーや洗濯ができれば安心ですが、難しい場合は洗顔だけでも顔周りの花粉を落とす効果があります。この時期は、朝入浴派の方も、布団に入る前にシャワーや入浴を済ませた方がよいでしょう。寝室に花粉を持ち込むのを防ぐことが目的です。
その他にも、空気清浄機を部屋の入り口付近などにおいたり、花粉対策用のカーテンを使用したり、洗濯ものは室内干しにしたりするなど、室内に花粉をできるだけ侵入させない工夫ができるといいでしょう。
目と鼻をケアし、免疫力を落とさない生活を
花粉症の症状は、目と鼻に起こる人が多いものです。鼻水、涙、目のかゆみなどはつらいものですから、症状を和らげたり、目と鼻をいたわったりするケアを取り入れたいものです。
洗眼や鼻うがいは、花粉症対策に有効ですが、やり方に注意が必要です。どちらも、水道水で行うよりは、洗眼用の人工涙液、鼻うがいスプレーなどを使って、粘膜を傷めないように気を付けましょう。
また、炎症を起こしている状態の目や鼻をいたわるために
・パソコンなどの作業時間を短くする
・部屋を加湿する
・コンタクトレンズの使用を避ける
といった対策も有効です。
粘膜を傷つける喫煙を避ける、鼻づまりを起こしやすくする飲酒を控えるといった対策も重要です。規則正しい生活をして、この時期を乗り切るため体力を落とさないように心がけていきましょう。
飛散情報をチェックして出かけよう
お出かけ前には、目的地の花粉の飛散状況を確認していくと安心です。帽子やマスクの用意や、着替えの準備などの目安となるでしょう。日本気象協会のサイトでは、全国の飛散状況や、予測情報を見ることができます。また、都内にお住いの方は、「とうきょう花粉ネット」で、花粉の量に応じた濃度マップを見ることができる他、メール配信サービスもありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

全国の花粉情報を市区町村別に掲載しています。1週間先までの花粉予測で週末の計画も立てられます。日本気象協会独自の花粉予測を地図上に表示した花粉メッシュで花粉の動きをチェックできます。気象予報士による花粉解説も人気です。
花粉症は、原因が花粉によるものとはっきり分かっているものです。確かに、小さくて風に乗って飛散する花粉は手ごわいですが、基本的な対策をしっかりと行って、シーズンを迎えたいですよね。また、症状が強いときなど、病院を受診して適切な治療を行うことも大切です。
春を憂鬱と感じずに、少しでも快適に過ごせるよう、心がけていきたいものです。