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<働くみんなのホンネ調査> 「働き方改革開始半年後の評価」について調査を実施 働き方改革開始から半年経つも、70%以上が自身の働き方「変わらない」 約20%が働き方「悪化」、ジタハラによる精神的負担の声も

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は、全国の転職希望者264人を対象に、【働き方改革開始半年後の評価】についてアンケート調査を行いました。


■40%以上が働き方改革開始後、会社の制度やルールに「変更があった」と回答
 残業時間削減に向けた取り組みが目立つ
 今年4月に働き方改革が開始され、9月で半年が過ぎました。働き手一人ひとりに応じた多様で柔軟な働き方を選択できる社会を実現するため開始された働き方改革。半年が経過した今、人々の働き方に変化はあったのでしょうか。今回、全国の転職希望者を対象に働き方改革開始半年後の評価について意識調査を行いました。
 働き方改革開始後、自身の勤める会社の制度やルールに変更があったか聞いたところ、「あった」と答えた人が40.5%、「わからない」と回答した人が23.5 %、「なかった」と回答した人が36.0%となりました。「あった」と回答した人に具体的な制度やルールの変更点を聞いたところ、残業時間削減に向けた制度やルールの変更点を挙げる声が最も多く見られました。そのほかにフレックスタイム制やテレワークが導入されたとの意見も散見され、働き方そのものを変えるようすもうかがえました。また、5月に当社が行った働き方改革開始1ヵ月後の意識調査では、働き方改革開始後に自身の勤める会社の制度やルールに変更があったと回答した人は31.1%であり、今回の半年後調査の結果が約10%増加していることを見ると徐々に働き方改革が浸透してきていると考えられます。

▼働き方改革による制度やルールの変更点(回答者のコメント)
・22時以降の残業が禁止になった(30代・男性・機械系エンジニア)
・退勤から翌出勤まで11時間以上空けるというインターバル制度ができた(20代・女性・事務)
・フレックス制とテレワークの導入(20代・男性・管理)
・登録型派遣から無期雇用派遣へとなる人がいた(30代・女性・事務)
・有給取得推進のアナウンスがあり、取得率が上がった(40代・男性・コンサルタント)
・会議回数の削減(40代・男性・システムエンジニア)
・最終退勤時間になると、部屋の電気が自動で消えるようになった(30代・女性・公務員)
・残業管理や勤怠管理が強化された(40代・男性・システムエンジニア)

 
 さらに、働き方改革によって余暇は増えたか聞いたところ、「いいえ」と回答した人が83.0%、「はい」と回答した人はわずか17.0%でした。内閣府は働き方改革が国民生活に与える影響として、「長時間労働の是正や柔軟な働き方の普及に伴う余暇時間の増加は娯楽等の消費活動を促進するといった消費行動への影響も想定される」としていますが、本調査において労働者の余暇が増加しているとは言い難く、政府が働き方改革で期待する効果はあまりうかがえないことがわかります。一方で、余暇が増加したと回答した人に増えた余暇を利用してはじめたこと、もしくははじめようとしていることを聞いたところ、「副業」や「勉強」と回答した人が多く見られました。終身雇用制度の崩壊が叫ばれている今、増えた余暇を副業や勉強の時間に充てて多様なキャリアを形成しようとする動きもあるのではないでしょうか。

■働き方が「悪化した」と回答した人が約20%!「改善された」を上回る結果に
 残業削減の取り組みが、かえって労働者の精神的負担に
 対象者に、働き方改革開始後自分の働き方は変わったか質問したところ、「改善された」と回答した人は10.2%、「変わらない」と回答した人が73.1%、「悪化した」と回答した人が16.7%となりました。悪化したと回答した人が、改善されたと回答した人の割合を上回る結果となり働き方改革のデメリットの部分が浮き彫りになりました。改善されたと回答した人からは、残業時間の減少により仕事の効率化が進んだとする意見が挙げられました。一方で、悪化したと回答した人からは、強制的な残業時間削減の動きにより精神的余裕がなくなったとする意見が多く見られました。また、仕事量が変わらないのに対し残業時間削減や有給休暇取得の制度だけが進むことでそのしわ寄せがいき、以前よりも働き方が悪化するケースも見られました。近年、このような残業時間削減のための具体策がないまま社員に残業規制を強要する「ジタハラ(時短ハラスメント)」が広がっています。制度だけが一人歩きをして表面的な働き方改革が横行することで、本調査のような以前より働き方が「悪化した」と感じる人が出てきてしまうのではないでしょうか。

▼「改善された」という人の意見
・在宅勤務の時間が増えて通勤時間が削減されたことで、効率が上がった(40代・男性・管理)
・定時で帰宅する社員が増えた(40代・男性・システムエンジニア)
・効率よく、明日できることは残業せず明日に回すようになった(30代・女性・接客販売)
・残業時間が正確に記録され、サービス残業がほとんどなくなった(30代・男性・機械系エンジニア)
・休みを取ることに対して、社内が寛容な空気になった(40代・男性・企画マーケティング)

▼「悪化した」という人の意見
・時間的余裕が減りストレス過多(30代・男性・システムエンジニア)
・仕事量が減らないのに残業時間削減を迫られるため、定時までに仕事を終わらせろというプレッシャーが強まりかえって苦しくなった(20代・男性・システムエンジニア)
・自動で社内の電気が消えても、つけ直して仕事を再開するのが日課になっている(30代・女性・公務員)
・パソコンが強制的にシャットダウンするため残業時間は減ったが、その分自宅へ持ち帰っての無給作業が増えた(30代・男性・営業)
・必要な仕事を当日中に片付けられず、仕事の持ち帰りやサービス残業が増えた(30代・男性・営業)
・労働時間の短縮ばかりを考え、業務が雑になっている(30代・男性・その他)
・部下の残業を抑えるために自分が過重労働になった(30代・女性・接客販売)

■働き方改革の満足度、期待度ともに低い結果に
 対象者に働き方改革開始前の期待度を聞いたところ、「とても期待していた」(10.2%)、「期待していた」(11.7%)とする人は合わせて21.9%となり、「期待していなかった」(17.0%)、「全く期待していなかった」(39.0%)とする人は合わせて56.0%でした。次に、現在の働き方改革への満足度を聞いたところ、「とても満足している」(0.8%)と「満足している」(6.1%)を合わせて6.9%となり、「満足していない」(20.8%)と「全く満足していない」(42.8%)を合わせると63.6%になりました。開始前は20%以上が働き方改革に期待を寄せていましたが、現状満足している人はわずか6.9%という結果になり、60%以上が働き方改革に満足していないということがわかりました。さらに、対象者に今後の働き方改革への期待度を聞いたところ「とても期待している」(8.3%)、「期待している」(12.9%)とする人は合わせて21.2%、「期待していない」(16.3%)、「全く期待していない」(37.1%)とする人は合わせて53.4%となりました。半数以上が今後の働き方改革への期待度も低いことがうかがえ、働き方改革の実現にはまだまだ時間を要しそうです。

 働き方改革による残業時間の削減や有給休暇の取得義務化により、無駄な時間を減らし仕事の効率化を図る働き手の意識の変化が見られるようになりました。一方で、働き方改革開始後も自分の働き方は変わらないと回答した人が70%以上という結果になり、働き方改革による実際の変化を感じられていない人が多いことがうかがえました。先日、首都圏では台風の影響でJR各線や在来線が計画運休を行ったにもかかわらず、会社員らが駅に殺到し大混乱となりました。無理にでも職場に向かおうとする人々の動きからテレワークやフレックス制度の導入が浸透していないことがうかがえ、まだまだ多様で柔軟な働き方の実現が進んでいないと考えられます。
 また、「ジタハラ」という新たなハラスメントが発生していることから、働き方改革が行われていても働き手に及ぼす影響は良いものばかりではないことがうかがえます。さらに近年SNSを中心に「社畜」という言葉が浸透し、労働環境の悪さを自虐する風潮も見られます。今後、働き方改革はそうした労働者の流れを食い止めることが課題になってくるのではないでしょうか。企業側は働き方改革の制度を進めるだけでなく、名ばかりの働き方改革にならないための対策を講じる必要があると考えます。


■調査概要
調査内容 :働き方改革開始半年後の評価について
調査対象者:当社利用者
有効回答 :264人
調査期間 :2019年9月13日~9月24日  
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。