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【調査報告】現役ビジネスパーソンに聞いた!「ワーケーション」に関する意識調査  76.1%が職場にワーケーション制度希望 しかしワーケーション推奨企業は1割未満の現実 許可されていても心理的にワーケーションしにくいという声も 経験者は27.5%に留まる

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は現役ビジネスパーソン509人(20代~40代)を対象に「ワーケーション」の認知度や経験などに関するアンケート調査を実施しました。

■【ワーケーションの認知度】言葉を耳にしたことがある人も含め「ワーケーション」の認知度は75.9%

 働き方改革やコロナ禍をきっかけに政府が奨励する「ワーケーション」という働き方。実際に、働き手の中でワーケーションが浸透しているのか、また働く時間・場所に対してどんな価値観を持っているのか調査しました。
 まず、ワーケーションの認知度を知るために、対象者全員にワーケーションを知っているか聞いたところ、「言葉も意味も知っている」が51.9%、「意味は知らないが言葉を見聞きしたことがある」が24.0%と、「知っている」と回答した人が75.9%に上りました。

■【ワーケーションの普及率】ワーケーション推奨企業は7.9%に留まる

 対象者全員に、現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)はワーケーションが許可されているか聞いたところ、大多数を占める79.0%が「許可されていない」と回答しました。「わからない」と回答した人は13.2%で、ワーケーション制度がある企業は7.9%のみでした。

■【ワーケーションの希望度】7割以上がワーケーションをしてみたい ストレス軽減が魅力的

 勤務先にワーケーション制度はないと回答した人に、もし勤務先にワーケーション制度があった場合、現職の状況に関係なく利用してみたいか聞いたところ、半数を大きく超える76.1%が「利用してみたい」と回答しました。

 「ワーケーションをしてみたい」と回答した人に、その理由を聞いたところ、「仕事の効率を維持しつつ、ストレス軽減が図れるから」(40代・接客販売・沖縄県在住)、「メリハリがあり、より質の高い仕事に繋がると考えるため」(40代・公務員・山口県在住)など、リラックスしながら働くことで、効率よく仕事ができることを魅力に感じるという意見が多く挙がりました。また、「普段の仕事も新しい気分で仕事を行うことができるため」(30代・営業・北海道在住)など、気分転換を期待するという意見や、「環境を変えて新しい刺激の中で新しい発想を生みたいから」(30代・企画・大阪府在住)、「柔軟な発想が生まれそうな環境での仕事は理想的だから」(40代・クリエイター・東京都在住)など、非日常を過ごすことで、クリエイティブに働けるのではないかという意見もありました。
 ほかにも、「遠方の家族との時間が増やせるため」(20代・接客販売・東京都在住)、「家族旅行や帰省などの予定が組みやすくなるため」(30代・営業・静岡県在住)など、帰省しやすくなったり、プライベートの時間を活用できたりする点を魅力に感じるという意見も見られました。

■【ワーケーション経験】ワーケーションを経験したことがある人は27.5%のみ

 勤務先で許可されていても実施に踏み切れない人が多数
さらに、ワーケーション制度があると回答した人に、ワーケーション経験があるか聞いたところ、72.5%が「ない」と回答し、「ある」と回答した人は27.5%に留まりました。

■【ワーケーション実施回数】半数以上が1回だけと回答

 続いて、ワーケーション経験があると回答した人に、これまで何回ワーケーションを実施したか聞いたところ、半数を超える54.5%が「1回」と回答しました。複数回経験している人は少数で、最高数は「10回」(9.1%)でした。

■【ワーケーションの行き先】関東甲信越が人気 帰省・GoToトラベルキャンペーンがきっかけ

 ワーケーション経験者全員に、これまでワーケーションのために行った都道府県はどこか聞いたところ、1位は「千葉県」、「神奈川県」、「山梨県」と関東甲信越の都道府県が人気を集めました。それぞれ、回答者の居住地も東京都、神奈川県など関東が多く、近場でワーケーションをする人が多いことがわかりました。そのほか、「北海道」、「石川県」、「静岡県」、「大阪府」、「兵庫県」、「広島県」、「福岡県」、「鹿児島県」、「沖縄県」が票を獲得し、観光地としても人気の都道府県がワーケーション先としても選ばれていることがわかりました。

 さらに、具体的に行った場所・ワーケーション実施タイミングを聞いたところ、「福岡県の実家・帰省のタイミング」(40代・企画・千葉県在住)、「広島県の義実家・祝日のタイミング」(40代・管理系・東京都在住)など、帰省をきっかけにワーケーションをしたという回答がありました。また、「北海道函館市・GoToトラベルキャンペーン実施のタイミング」(20代・機械系エンジニア・宮城県在住)、「淡路島・兵庫県独自の県民割(地域観光事業支援)実施のタイミング」(40代・その他・兵庫県在住)など、政府や自治体が実施した旅行支援施策を活用している人もいました。中には、「石川県金沢市・会社で設けられたワーケーション推奨期間のタイミング」(20代・営業・神奈川県在住)など、勤務先からワーケーション実施を推奨されていたという回答もありました。

■【ワーケーションのメリット・デメリット】リフレッシュできる一方で観光の時間を確保できない人も

 ワーケーション経験者全員に、ワーケーションを実施して感じたメリットを聞いたところ、「リフレッシュできストレスが減る」(30代・営業・大阪府在住)、「気分を変えられる」(40代・コンサルタント・東京都在住)など、普段とは違うシチュエーションで仕事ができる上に、余暇も楽しめ、気分転換できたという意見が挙がりました。ほかには、「時間の節約」(40代・企画・千葉県在住)など、仕事と旅行が同時にできることから時間を有効活用できる点をメリットと感じる人もいました。
 一方で、デメリットを聞いたところ、「旅行気分が味わえない」(40代・管理系・神奈川県在住)、「時間的に旅行として100%楽しめない」(40代・その他・兵庫県在住)など、実際は思うように余暇の時間を確保できないという意見が挙がりました。「時間管理ができない人には向かない」(40代・管理系・東京都在住)という意見もあり、仕事と旅行の両立には工夫が必要だと感じる人もいるようです。また、「時々仕事に集中できない」(20代・機械系エンジニア・大阪府在住)など、普段とは場所が違うこと、旅行気分になってしまうことなどが集中力低下につながったという意見もありました。

■【ワーケーション未実施の理由】制度があっても使いにくい雰囲気

 勤務先にワーケーション制度はあるが、ワーケーションをしたことはないと回答した人に、これまでワーケーション制度を利用しなかった理由を聞いたところ、「職務上難しいため」(30代・システムエンジニア・埼玉県在住)など、仕事に適した環境が確保できないという意見のほかに、「周りに使った人がいないから」(20代・管理系・東京都在住)、「制度を利用できる雰囲気がないため」(40代・営業・神奈川県在住)など、心理的にワーケーション制度を利用しづらいという意見が挙がりました。また、「魅力がなかったから」(30代・管理系・東京都在住)、「特に必要性がなかったから」(40代・企画・神奈川県在住)、「コロナウイルスの流行のため、自宅外で働くメリットがないから」(40代・企画・茨城県在住)、「プライベートと仕事を分けたいため」(30代・管理系・東京都在住)など、そもそもワーケーションに必要性や魅力を感じないという人も少なくありませんでした。中には、「プロジェクトが忙しく、ワーケーションを考える余裕がなかったから」(40代・企画・東京都在住)という意見もあり、実施に踏み切るにはある程度の心理的、時間的な余裕が必要であることもわかりました。

■【リモートワークの普及率】リモートワーク・ワーケーションの両方推奨企業は7.5%のみ

 対象者全員に、現在の勤務先(離職中の人は直近の勤務先)でリモートワークが許可されているか聞いたところ、リモートワーク可能な企業は46.2%に留まりました。さらに、リモートワークとワーケーションの両方が許可されている企業は1割を切る、7.5%のみという結果になりました。政府がワーケーションを推奨する一方で、企業のワーケーション制度が整わない現状が浮かび上がりました。

■【ワーケーション推奨企業の印象】81.5%にとってワーケーション制度のある企業は好印象

 対象者全員に、ワーケーションが推奨されている企業で働いてみたいか、現在ワーケーション推奨企業で働いている人は、これからも推奨企業で働きたいか聞いたところ、81.5%が「働いてみたい」と回答しました。ワーケーション未経験者が多い中、ワーケーションができる企業は魅力的に捉えられていることがわかりました。

■【働く時間・場所の価値観】9割が働く場所・時間は自分で選びたいと回答

 最後に対象者全員に、働く時間や場所を自由に選べる働き方をしてみたいか聞いたところ、大多数を占める90.2%が「してみたい」と回答しました。

 「時間や場所を自由に選べる働き方をしてみたい」と回答した人に理由を聞いたところ、業務効率、働きやすさ向上にメリットを感じるという意見が集中しました。また、フレキシブルな生活を通して、より生産性の高い仕事ができるのではないかと期待する人もいました。ほかには、通勤時間をプライベートに充てられることで仕事と家庭の両立のしやすさを魅力に感じるという意見も見られました。中には、仕事に左右されず生活拠点を選べることから、海外に住みながら日本企業で働きたい、地元で自分に合った仕事をしたい、上京せずに東京にある企業で働きたいといった希望を持つ人もいました。

 これまで、時間と場所が仕事に縛られる、仕事ファーストな働き方・生活が当然とされてきましたが、コロナ禍を契機にワーケーションをはじめとした新たな選択肢が広まっています。しかし、現役ビジネスパーソンは、時間と場所は自分で選択したいという希望を持っていながらも、企業に制度が整っていないため、フレキシブルに働けないというギャップを抱えていました。また、ワーケーション制度があっても、社内に使いにくい雰囲気があり、実行できていないという意見もあるなど、自由な働き方に対し、理解が深まっていない状況です。これまでの働き方、制度は本当に効率が良いのか、生産性が高いのか、柔軟に見直すべきタイミングなのかもしれません。

■調査概要
調査内容 :ワーケーションについて
調査機関 :自社調査
調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン (20代~40代・男女)  
有効回答 :509人
調査期間 :2022年8月2日~8月9日
調査方法 :インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

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