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【調査報告】現役ビジネスパーソンに聞いた!「産後パパ育休制度」に関する意識調査  育休取得希望の男性は86.3%だが 実際の取得率は19.6%に留まる 61.3%の男性が育休を取りにくいと回答 「育休=女性対象」の固定観念も要因か

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:田村高広)は現役ビジネスパーソン571人(20代~40代・男女)を対象に「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」の認知度や育休に対する価値観などに関するアンケート調査を実施しました。

■【産後パパ育休制度の認知度】「産後パパ育休制度施行」には7割弱のビジネスパーソンが関心

 10月1日から「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」が施行されます。育休取得推進の動きが活発化する中で、現役ビジネスパーソンの育休取得への意欲や課題について調査しました。
 はじめに、対象者全員に産後パパ育休(出生時育児休業)制度が施行されることを知っているか聞いたところ、「知っている」と回答した人が67.1%と半数を大きく超え、認知度は比較的高いようすがうかがえました。

■【男性の育休取得率】男性の育休取得率は19.6%に留まる

 次に、対象者のうち子供がいる男性163名に、育休を取得したことがあるか聞いたところ、「取得したことがある」と回答した人は19.6%のみでした。同じく子供がいる女性の育休取得率は70.0%で、男性の取得率の低さが際立ちました。

■【男性の育休非取得理由】妻が取れば取得不要/取得したくても職場の理解を得られない …など

 さらに、子供はいるが育休を取得したことがないと回答した男性に、育休を取得しなかった理由を聞いたところ、パートナーが取ったため取得する必要性を感じなかったという意見が多く挙がり、育休は女性が取るものという価値観が定着しているようすがうかがえました。また、そもそも男性の育休取得前例がなく、職場に取得し難い雰囲気があったという声や、取れることすら知らなかったという声もあり、男性の育休取得への理解不足や関心の低さも目立ちました。

▼男性の育休非取得の理由(一部抜粋)
「妻が育休を取得したため」(30代・男性・営業)
「制度を知らなかったから」(30代・男性・企画)
「社内で男性の育休取得の前例が無かったから」(30代・男性・営業)
「男性社員が取得できる組織風土ではなかったから」(40代・男性・企画)
「取ると出勤率に関わり昇格に左右するから」(30代・男性・営業)
「会社が育休を理解しておらずボーナスに影響があると通達があったから」(30代・男性・事務)
「会社が育休取得を認めてくれなかったから」(30代・男性・システムエンジニア)  …など

■【育休取得のメリット・デメリット】子育てに専念できる一方でキャリア形成に不安

 一方、男性の育休取得者に、育休取得のメリットとデメリットを聞いたところ、妻の産後の負担を軽減できた、育児への理解や家族の絆が深まったというメリットの反面、一部では収入減やキャリアへの障害となったというデメリットを感じたという人もいました。ただし、男性の育休取得者の6割程度は、デメリットは感じなかったと回答しています。

【男性の育休取得者の意見】(一部抜粋)
▼メリット
「子供が産まれた直後の大変な時期に夫婦で一緒に子育てに専念できた」(30代・男性・システムエンジニア)
「育児ができ、妻の負担が軽減された」(20代・男性・接客販売)
「家事・育児への理解が深まった」(30代・男性・公務員)
「家族との時間・自分のキャリアについて考える時間ができた」(30代・男性・コンサルタント)  …など

▼デメリット
「昇進の道から外れた」(20代・男性・公務員)
「キャリア形成への障害」(40代・男性・企画)
「給与が減り、育休中の家賃補助も無くなった」(30代・男性・管理系) …など

■【育休の取得希望度】男性の86.3%が自身の育休取得に意欲

 男性の対象者351人全員に、もし子供が生まれた場合、育休を取得したいか聞いたところ、大多数を占める86.3%が「取得したい」と回答しました。

■【パートナーの育休取得希望度】男性の96.0%がパートナーに育休を取ってもらいたい

 さらに男性の対象者全員に、もし子供が生まれた場合、パートナーに育休を取得してほしいか聞いたところ、こちらも大半を占める96.0%が「取得してほしい」と回答しました。また、「育休を取得したくない」が「パートナーには育休を取得してほしい」と回答した男性は11.1%で、育休は女性だけが取得した方が良いと考える人も一定数いることがわかりました。

■【育休取得のしやすさ】男性の61.3%が育休の取りづらさを実感

 男性の対象者全員に、現在の勤務先(または、直近の勤務先) は育休を取りやすい環境だと思うか聞いたところ、半数を超える61.3%が「取得しにくい」と回答しました。一方で、女性の対象者全員に同じ質問をしたところ「取得しにくい」と回答した人は30.0%に留まったことから男性の方が育休取得にハードルを感じていることがわかりました。

■【育児における男女の平等感】5人に4人が「女性の負担が大きく不平等」と回答

 最後に、対象者全員に出産・子育ての負担は男女平等だと思うか聞いたところ、82.3%が「女性の負担が大きい」と回答し、男女平等だと考えている人は2割を切る17.3%に留まりました。産後パパ育休制度の施行が、女性の負担軽減に繋がるかどうか今後注目が集まりそうです。

 男性ビジネスパーソンのほとんどが育休を取得したいと考える一方で、育休取得率が伸び悩んでいることがわかりました。いざ子供が生まれた際に、パートナーが育休を取得したから自身が取得することを検討しなかった男性も少なくないようで、そもそも男性の育休取得が現実的に捉えられていないようすがうかがえました。この背景には、男性の育休取得に対する職場の理解不足があり、育休取得者のキャリアサポートや業務分担体制が整わず、男性の育休取得にブレーキをかけているようです。男性自身が育休を自分事として考えられるようにならないかぎりは、法改正だけでは男性の育休取得率は改善しないのではないでしょうか。

■調査概要
調査内容 :産後パパ育休(出生時育児休業)制度について           
調査機関 :自社調査
調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン (20代~40代・男女)  
有効回答 :571人 
調査期間 :2022年9月8日~9月15日                    
調査方法 :インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

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