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【調査報告】9月3日は睡眠の日 今どきのビジネスパーソンの「睡眠意識」について 約8割が「睡眠時間を削って働くべきではない」 睡眠は仕事のパフォーマンスに「影響する」96.6% 「寝ずに働く」を美徳とした時代からの意識の変容 体調管理や良い仕事をするために「睡眠は重要」

総合転職エージェントの株式会社ワークポート(所在地:東京都品川区、代表取締役社長:林 徹郎)は全国のビジネスパーソン635人(20代~40代・男女)を対象に、「睡眠に対する意識」についてアンケート調査を実施しました。

■【現代の睡眠意識】睡眠時間を削ってでも働くべきだとは「思わない」人が約8割 「体調優先」の声多数
 かつて、バブル経済真っ只中には「24時間戦えますか?」というキャッチコピーが流行し、身を粉にしてがむしゃらに働く「企業戦士」がもてはやされるなど、企業の利益のために睡眠時間を削ってでも働く姿が美徳とされた時代もありましたが、約30年経った今ビジネスパーソンの価値観は一体どのように変容しているのでしょうか。9月3日の「睡眠の日」にちなんで、今どきのビジネスパーソンの睡眠に対する意識を調査してみました。

 はじめに、対象者全員にキャリアアップやスキルアップのためには、睡眠時間を削ってでも働くべきだと思うか聞いたところ、「まったくそう思わない」(36.1%)、「あまりそう思わない」(42.0%)が合わせて78.1%と約8割にのぼりました。睡眠時間を削って働くことは、今どきのビジネスパーソンの大部分にとってはもう「美徳」ではなくなっていることがわかりました。

 睡眠時間を削ってでも働くべきだとは思わないと回答した人に理由を聞いたところ、「睡眠を十分に取ることは体調管理に不可欠だと思うから」(40代・女性・管理)、「心身の健康が第一だと思うから」(30代・女性・システムエンジニア)など、体調管理のために睡眠を重要視する意見が多く挙がりました。また、「ワークライフバランスを保てなければ仕事にも私生活にも悪影響を及ぼし、キャリアアップもスキルアップも叶えられないと思うから」(20代・男性・接客販売)、「体調を整えてこそ良い仕事ができると考えているため」(40代・男性・事務)など、キャリアアップやスキルアップ、仕事の質を上げるためにこそ睡眠時間はきちんと確保すべきとする意見も多数寄せられました。

▼睡眠時間を削って働くべきではないとする理由(一部抜粋)
「健康が第一と考えており、睡眠時間を減らすことは健康被害につながりそうだから」(30代・男性・システムエンジニア)
「キャリアアップやスキルアップよりも、心身の健康が優先されるべきだと考えているから」(20代・男性・製造)
「睡眠不足だと集中力が欠け仕事の効率が下がり、ミスなども増える懸念があるため」(30代・女性・企画マーケティング)
「睡眠不足にならないように工夫することもスキルアップに重要と考えるから」(30代・男性・運輸交通)
「健康があっての仕事だと考えているため」(30代・女性・営業) …など

■【睡眠時間の影響】睡眠時間が仕事のパフォーマンスに「影響する」とした人は96.6%と大多数
 次に、対象者全員に睡眠時間は自身の仕事のパフォーマンスに影響すると思うか聞いたところ、「かなりそう思う」(79.1%)、「ややそう思う」(17.5%)が合わせて96.6%となり、ほとんどの人が睡眠時間は仕事のパフォーマンスに影響すると感じていることがわかりました。

■【睡眠不足でのミス】51.2%が睡眠不足によってミスをした経験あり 主に誤入力などのケアレスミス
 睡眠時間は自身の仕事のパフォーマンスに影響すると回答した人に睡眠不足が理由で、仕事でミスをしたことはあるか聞いたところ、51.2%の人が「ある」と回答しました。半数を超える人が、実際に睡眠不足によるパフォーマンスの低下を経験しているようです。

 睡眠不足が理由でミスをしたことがあると回答した人に、具体的にどのようなミスをしたのか聞いたところ、主に「入力ミスや確認ミス」(40代・女性・管理)、「計数の数え間違い、書類の記入ミス」(20代・男性・製造)など、ケアレスミスをしたという意見が目立ちました。

▼睡眠不足によって起こした仕事のミス(一部抜粋)
「作成した表の単位ミスや作成資料の誤字脱字など」(30代・男性・建築土木)
「ケアレスミスを多発、頭がうまく働かなくて作業に時間が異常にかかった」(30代・女性・営業)
「物や書類を忘れたり、待ち合わせ時間に遅れたりした」(40代・男性・機械系エンジニア)
「取引先に違うものを間違えて納品した」(30代・男性・営業)
「必要な書類を誤ってシュレッダーで処分した」(20代・男性・建築土木) …など

■【睡眠問題と有給休暇】半数以上が睡眠不足や疲労感を理由とした有給取得に「罪悪感なし」と回答
 続いて、対象者全員に病気や怪我などの明らかな体調不良ではなく、睡眠不足や疲労感を理由に有給休暇を取ることに罪悪感があるか聞いたところ、「まったくそう思わない」(26.1%)、「あまりそう思わない」(28.7%)が合わせて54.8%と半数以上でした。

■【睡眠問題による有給休暇取得】一方、実際に睡眠不足で有給休暇を取った人は35.4%と少数
 一方で、対象者全員に実際に睡眠不足や疲労感を理由に有給休暇を取ったことはあるか聞いたところ、「ある」と回答した人は35.4%と低い水準にとどまる結果となりました。

 睡眠不足や疲労感を理由に有給休暇を取ったことはないと回答した人に理由を聞いたところ、「仕事を休むほどの状態ではなかったから」(40代・男性・製造)、「睡眠不足で有給休暇を使うのはもったいないから」(30代・男性・営業)など、罪悪感はないものの実際の場面では有給休暇を取る必要はないと判断する人が多いことがわかりました。また、「有給休暇を取れる職場の環境や雰囲気がなかったから」(30代・男性・営業)、「申し訳なく思ってしまうため」(30代・男性・事務)といった意見も多数寄せられており、ビジネスパーソンの睡眠に対する意識が変わってきている一方で、それを実践するにはまだ難しい環境や心理的ハードルが多少なりとも残っているようすがうかがえました。さらに、「自己管理不足で会社や周囲に迷惑をかけられないから」(40代・男性・製造)、「休んでいても仕事が気になってしまい、結局働いていたため」(20代・男性・営業)といった意見も散見し、一部には今も仕事優先の価値観が根付いている実態も明らかになりました。

▼睡眠不足や疲労感で有給休暇を取らなかった理由(一部抜粋)
「有給休暇は本当に必要なときのためにとっておきたいから」(30代・男性・管理)
「辛抱すれば業務可能だったため」(30代・女性・事務)
「体調が悪いわけではないのに有給休暇を取ると周りから何か言われそうだから」(20代・男性・医療福祉介護)
「有給休暇取得により評価を下げられた経験があるため」(30代・女性・管理)
「仕事が忙しくて有給休暇を取る余裕がなかったため」(40代・男性・その他) …など

■【平均睡眠時間】仕事の日は「6.2時間」で満足度は五分五分 休日は「7.5時間」で多数が「理想的」
 ちなみに、対象者全員に普段の睡眠時間はどのくらいか聞いたところ、仕事の日は平均6.2時間、休日が平均7.5時間でした。併せて、その睡眠時間は理想的か聞いたところ、仕事の日の睡眠時間については「かなり理想的」(13.9%)、「やや理想的」(32.4%)が合わせて46.3%と半数以下でした。睡眠を重要視する意識が広がっているものの、仕事の日には理想の睡眠時間を確保できていない人も少なくないようです。一方で休日の睡眠時間に対しては、「かなり理想的」(35.7%)、「やや理想的」(40.3%)が合わせて76.0%となり、仕事の日に比べて満足度が高いことがわかりました。

 睡眠時間を削って働く姿が美徳とされた時代からビジネスパーソンの価値観は大きく変容し、現代では体調管理や仕事のパフォーマンスを上げるために睡眠を重視すべきという意識が広く根付いていることが明らかになりました。睡眠問題を有給休暇取得と結びつけるにはまだハードルが残っているという側面もあるものの、実際に睡眠不足で働いた結果ミスにつながったケースも半数以上と少なくないことから、働き方を考えるうえで睡眠が重要視される傾向はこの先ますます高まっていくことが予想されます。転職シーンにおいても、休暇の取りやすさや時間的な余裕を求める転職希望者が増えていくかもしれません。

■調査概要
調査内容 :今どきのビジネスパーソンの睡眠意識について
調査機関 :自社調査
調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)
有効回答 :635人
調査期間 :2023年8月28日~8月31日
調査方法 :インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

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