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【2026年春・意識調査】賃上げ5%でも「離職」止まらず 転職活動継続は9割超 〜給与アップは“前提条件”へ。働き手が恐れるのは「年収減」より「スキルの停滞」〜

レポート

人材紹介業の株式会社ワークポート(本社:東京都品川区、福岡県福岡市博多区 代表取締役会長CEO:田村 高広)は、全国のビジネスパーソン442人(20代~40代・男女)を対象に、「賃上げと転職意向」に関するアンケート調査を実施しました。

 2026年の春闘では、昨年に続き「5%以上」の賃上げ方針が掲げられるなど、給与改定への注目が例年以上に高まっています。大手企業を中心に高水準の回答が相次ぐ一方で、働き手の意識は必ずしも現職残留に傾いているとはいえません。
 本調査では、賃上げが転職意向に与える影響を起点に、働き手の関心の変化や、給与では解決できない人材流出の背景に迫りました。

<調査結果サマリー>
■ 物価高に追いつかない賃上げの現実。7割近くが「実質マイナス」と回答。
■ 5%賃上げでも止まらない人材流出。9割以上が「転職活動を継続する」意向。
■ 転職の決定打は「年収」から「自己成長」へ。賃上げは引き止めの“特効薬”にならず。

■【賃上げへの期待値】基本給「据え置き」見込みが5割超 賃上げムードの裏で、恩恵なしが半数
 はじめに、対象者全員に今年の春闘や賃上げ交渉の結果、基本給は上がる見込みか聞いたところ、半数を超える52.0%の人が「据え置き(上がらない)と思う」と回答しました。一方で、昇給を見込む人は「かなり上がると思う」(3.6%)、「多少は上がると思う」(27.8%)を合わせても約3割にとどまりました。
 3年連続で「5%以上」の高い賃上げ方針が掲げられるなど、賃上げムードが高まる一方で、多くの働き手がその恩恵を受けられない見通しであることがわかりました。

 
■【春闘・賃上げの影響】7割近くが「実質マイナス」の実感 「物価高」に追いつかない賃上げの現実
 次に、対象者全員に今回の春闘で期待(または決定)している賃上げ額は、昨今の物価上昇をカバーできていると感じるか聞いたところ、67.9%が「まったくカバーできていない(実質マイナスだと感じる)」と回答しました。昇給を見込む層を含めても7割近くの人が、額面の賃上げだけでは、物価上昇による生活実感の悪化を補い切れないと感じていることがわかりました。

 
■【賃上げと転職意向】5%賃上げでも「転職活動を続ける」が9割超 金銭による引き止めの限界が露呈
 続いて、対象者全員にもし今の職場で「5%以上の賃上げ(例:月給30万円なら1.5万円アップ)」が約束された場合、転職を思いとどまるかを聞きました。その結果、「賃上げに関係なく転職活動を継続する」と回答した人が70.8%に達しました。「ペースを落として継続する」(25.1%)も合わせると、9割を超える人が5%以上の賃上げ後も転職活動を継続する意向を持っていることがわかりました。
 反対に「転職活動を完全にやめる」とした人はわずか4.1%に留まっており、給与アップが離職の決定的な抑止力にはならない実態が明らかになりました。

 
■【離職の要因】1位は「キャリア成長不足・スキルの停滞」 約4割が給与以上に「将来の市場価値」を危惧
 5%以上の賃上げが実施されても転職活動を継続すると回答した人に、給与以上に「今の職場を辞めたい」と感じる最大の理由を聞いたところ、1位は「キャリア成長不足・スキルの停滞」(36.8%)でした。現時点での報酬額よりも、自身の将来や市場価値に直結する「キャリア・スキル」が停滞していることへの不安が、離職を検討する最大の要因となっていることがわかりました。
 次いで「人間関係・社風のミスマッチ」(30.4%)、「労働時間・休日数への不満」(26.7%)と続いており、金銭的な報酬だけではカバーできない、組織風土や労働環境といった根本的な課題も浮き彫りとなりました。

 
■【転職の優先条件】約6割が年収アップより「スキル・市場価値の向上」を選択 年収最優先はわずか12.7%
 さらに、対象者全員に次の転職先を選ぶ際、あえて年収アップよりも優先したい要素があるか聞いたところ、「スキルアップ・市場価値の向上」が56.8%で最多となりました。前段で浮き彫りになったキャリア・スキル停滞への危機感が、そのまま次の職場への「期待」に直結していることがうかがえました。
 次いで「社風や社員の雰囲気」(44.6%)、「柔軟な働き方」(37.3%)と続き、一方で「年収を最優先する」と回答した人はわずか12.7%にとどまりました。この結果から、現代の転職市場においては成長環境や組織文化といった「無形資産」が極めて重要視されていることがわかりました。

 
■【職場の課題】給料を上げても止まらない離職の本音 現場が切望する「年収以外の職場改善」とは
 最後に、対象者全員に「給料を上げるだけでは解決しない」と感じる職場の問題点を聞いたところ、お金だけでは解消できない現場の切実な意見が数多く寄せられました。とくに意見が目立った3つのカテゴリーを中心に、働き手の生の声を抜粋して紹介します。

▼給料を上げるだけでは解決しない今の職場の問題点/自由記述(※一部抜粋・要約しています)

【①キャリア・スキルの停滞】
「仕事内容に関して成長の機会がない、10年先のキャリアが見通せない」(40代・女性・企画マーケティング)
「業務の分担や担当範囲が固定されており、自分から新しい分野に挑戦することが難しい」(20代・男性・機械系エンジニア)
「スキルアップできないと将来的に給与には反映されないし、また転職の際に何も実績を持てないままただ給与が高いだけの使えない人材という評価をされかねない」(30代・女性・システムエンジニア)
「業務負荷が軽すぎて、やりがいを感じられない」(40代・女性・事務)

【②人間関係・組織風土の問題】
「コミュニケーションが不足しており、意見やアイデアが反映されにくい。給料が上がっても働きやすさやチームの雰囲気は改善されない」(30代・男性・その他)
「意思決定を行う経営層の働き方改革への理解不足、意思決定までの非効率性」(40代・男性・公務員)

【③労働環境・業務負荷】
「慢性的な人員不足が続いており、疲弊した状態で働いているスタッフが多い」(20代・女性・接客販売)
「職場によっては残業が過労死ラインを大きく超えている」(40代・女性・公務員)

【その他の意見】
「学習性無力感を感じている。これは賃上げしても心は壊れていくと思う」(40代・女性・運輸交通)
「今はAI導入を積極的に採用しているが、なんとなく人間に対しての扱いが雑になっている気がする」(40代・男性・クリエイター) …など

 今回の調査では、企業側が賃上げやベースアップに注力する一方で、働き手のニーズは単なる「目先の給与額」から、「自身の市場価値」や「成長の持続性」へと明確にシフトしている実態が浮き彫りとなりました。多くの回答に見られたのは、将来への焦燥感やスキルの停滞に対する強い危機感です。もはや賃上げは、離職を食い止めるための決定打ではなく、優秀な人材を惹きつけるための前提条件に過ぎないのかもしれません。
 今後、選ばれる企業であり続けるためには、賃金の改善のみならず、個人のキャリア成長を停滞させない環境の提供が不可欠といえます。単に労働力の対価として給与を支払う場所ではなく、「働き手の市場価値向上を支える場」として機能できるかどうかが、現代の採用競争において欠かせない生存戦略となるのではないでしょうか。

■調査概要
調査内容 :賃上げと転職意向に関する実態調査
調査機関 :自社調査
調査対象 :当社を利用している全国のビジネスパーソン(20代~40代・男女)
有効回答 :442人
調査期間 :2026年1月27日~2月3日
調査方法 :インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。

■ワークポートについて
ワークポートは、「“次の一歩”に確信を。」というブランドコンセプトを掲げ、求職者と企業の新たな“一歩”を後押しする転職エージェントです。豊富な知見を持つキャリアのプロが求職者の強みや可能性を引き出し、多彩な求人情報と独自のマッチングシステムを駆使して、一人ひとりに最適な選択肢をご提案。面接日程などの各種調整も代行します。企業にとっては「第二の人事」となり、深い企業理解に基づくマッチ度の高い人材の紹介により事業成長に伴走。求職者と企業、双方へ迅速なコミュニケーションを提供し、スムーズな転職・採用活動の実現を支援します。
さらにワークポートは、全国47都道府県すべてに拠点を展開。どこでも「直接会える」転職エージェントとして、地域に精通した専門担当者がFace to Faceで対応します。全国の拠点から価値を提供し、地域経済、そして日本経済の活性化に貢献してまいります。
HP:https://www.workport.co.jp/

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